劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)

監督/竹内一義
世代的には、装甲騎兵ボトムズの映画版 総作画監督をしていた人
としてられるかもしれない

脚本/むとうやすゆき
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ を見事に時間にまとめた脚本が印象的

エンジェルダスト
というキーワードと海原神(かいばら しん)というキーキャラクターの登場で話題になったが蓋を開けてみると、オリジナルストーリーであって、原作の隙間の物語として成り立っている。

実質32巻の直前…といっても良いかもしれない

前作の「新宿のプライベート・アイズ」から4年
オリジナルキャストも揃っての展開。なので、旧来のファンからすればまったなしだろう。

ある施設に潜入するために空から3人の美女が降下してくる。やってきたのはキャッツアイの3人。そこに2人の男が加わった。冴羽獠と海坊主だ。

製薬会社が秘密裏に抱えたものをダッシュするために共闘するがそこに謎の仮面を被って、コルトパイソンを持ち、しなやかな動きをするった人物が表れる。
その謎の人物は、5人の目的のものを奪い取り夜の街に消えるのだった。

翌日。凄腕のスイーパー「シティハンター」に依頼が舞い込む。
その黒板に書かれた文字は明らかに女性のものなので、受けるかどうか悩む槇村香の姿があった。
背に腹は代えられないと、受託するが依頼者は美貌を兼ね備えた動画配信者で、猫を探しているというのだが……

そもそも、この映画を観に来ている人の多くが中年以上の方々だったw
当然といえば当然かもしれない。

シティハンターというコンテンツをリアルタイムで楽しんできた人たちだろう。

その人達を楽しませるための隠し要素も展開も、キャラクターの動きもすべてがファンならば安心してみることができるものに仕上がっている。

そこに最新のコラボコンテンツを加えることで、さらなる世界観の広がりを感じさせられるともいえるだろう。

その最たるものが、冒頭のキャッツアイとのコラボ。
これはもう原作でもありきで掲載されていたので問題ない。
そこに加えられたのが、ルパン三世である。

そこに制作がサンライズということもあって、お台場のダイバーシティ東京も登場。
さらにユニコーンガンダムも登場し、バナージの声も流れる。
しかもメモリーではなく、本人に喋らせるという。あるいみサンライズ制作でなければ実現していないのではないか?という演出もある。

そういった世界観の広がりをもたせたのが、旧来のファンとして受け入れられるかどうかで評価が分かれるところかもしれない。
ルパン三世を出せるってことは、コナン君すらも出せる可能性が……

映画の上映時間が90分ほどという、コンパクトになっている分、シナリオの展開は急ピッチな部分とキャラ訳のための時間とに割かれている。そのためしっかりとしたシナリオ展開を期待している人にとっては物足りなさを感じてしまうだろう。

また、予告などで最終章、海原神(かいばら しん)が登場していることから、最終のミックなども出演するかと思っていたが、そういった原作に繋がるキャラクターはほぼなし

エンジェルダストという原作に登場したアイテムを中心にした、オリジナル展開。
そこにオリジナルキャラに寄るアクションを事あるたびに盛り込む…という、良くも悪くもわかり易すぎる展開に仕上がっている。

そういったシナリオ展開の隙間隙間に流れるのが、
TMネットワークの曲たち。TMネットワークのアルバムをすべて聞いている年齢としては懐かしい曲がシティハンターの世界をうまく引き込んでくれる演出である。
もちろんエンディングは「Get Wild」なので、ご安心を。

そういった中作画レベルが高いところと外注なのが判るところがあったのが、惜しいところか?

声優の加齢による変化はもう 受け入れるしか無い…
こればかりは、完ぺきを求めるほうが無理があるといえる。
神谷明さんの声の思い入れはかなりのものだろうし
伊倉一恵さんにしても、玄田哲章さんにしてもそうだが、
シティハンターだから…という熱量も気合も感じる。

オリジナルキャストの方々にはほんと、感謝しか無い。

また、制作側としては、まだまだ シティハンターのアニメ映像化…には
期待をしており、過分なまでに観ている側に応援依頼をするような描写が2点ほどあった

あのような演出を「半分本気で半分ネタ」として受け入れつつも応援できるかどうか?でこの作品への評価は大きく分かれるともいえる。

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