作品紹介

 「悪役令嬢転生おじさん」のオリジナル版は、少年画報社「月刊ヤングキングアワーズGH」にて2020年から連載されている上山道郎氏によるマンガ。アニメは2025年1月より3月まで全12話が放送された。

 物語は、52歳の公務員という異色の設定である主人公・屯田林憲三郎(CV:井上和彦さん)が、事故により異世界に転移してしまうというもの。死んだかと思ったものの目を覚ますと、そこは娘がハマっていた乙女ゲームの世界で、彼はなぜかそこに登場するキャラクターの1人である、悪役令嬢になっていた。

 戸惑いながらも、52年の人生キャリアや親目線から悪役令嬢らしくない機転を利かせた発言で、次々とトラブルを解決したり意図せず好評を得ていき、本来のゲーム設定とは違う人間関係を築いていく。

 おじさんが女性キャラになってしまうという設定は数あれど、「問題解決のために人生経験や親目線での発言をしていく」という設定からくるセリフが非常にユニーク。家庭持ちだったり、主人公に近い年齢の人ほど、より楽しく見られるだろう。

【TVアニメ『悪役令嬢転生おじさん』第2弾PV】

あらすじ紹介

 主人公の屯田林憲三郎は、公務員として働く52歳。ある日、道路に飛び出して交通事故に遭いそうになった子供を助けるが、自身は車にはねられてしまう。目を覚ますと、そこは娘がハマっている乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界。彼の意識は、登場人物の一人である悪役令嬢のグレイスになっていた!?

 タイトル名は知っていても、ゲームの内容を知らない憲三郎は悪役令嬢を演じようとするものの、長年社会で培ってきた“おじさん”スキルを駆使してトラブルを上手に解決してしまう。気がつけば、嫌われなければならないはずのゲームの主人公・アンナ(CV:関根明良さん)だけでなく、アンナの攻略ターゲットであるイケメンキャラたちにまで好かれてしまうことに。

 その頃の現実世界では、病院のベッドで寝たまま意識の戻らない憲三郎の姿があった。看病する母を残して自宅に戻った娘は、なぜか勝手に動いているゲーム機とゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」を見つけ、さらには画面に表示されていたメッセージウィンドウの名前欄に「グレイス(憲三郎)」と書かれていることに気がつく。現実世界でも異世界転移を把握された憲三郎は、無事に帰ってくることができるのだろうか?

□「悪役令嬢転生おじさん」あらすじ

【あらすじ】

52歳の真面目な公務員、 屯田林憲三郎は交通事故で死んだ。

……はずだったが

目を覚ますとなんと彼は娘がハマっている乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界に転生していた!!

転生した人物はゲームの主人公、 アンナ・ドールの恋路を邪魔する悪役令嬢、グレイス・オーヴェルヌ。

そこで本来のグレイス同様、悪役令嬢として立ち振る舞おうとするグレイス=憲三郎。
だが、自身の経験値からアンナを包み込むような親目線発言と庶民的な言動を優雅なものに自動変換する能力【優雅変換】(エレガントチート)が相まって自身の評価が爆上がり!

さらに意図せずゲーム攻略対象のイケメンたちとフラグが立ちまくりで!?

異世界で生き抜くための武器は剣!?魔法!?
いいえ、社会で培ったおじさんスキルです!!

おじさん×異世界転生×悪役令嬢でお届けするほのぼのコメディ、堂々開幕(スタート)

見所紹介

本作の見どころは、オーソドックスな異世界転生ものであれば同性に転生するところが本作では異性になるところ。加えて「“52歳のおじさん”が“15歳の悪役令嬢”になる」というインパクトが非常に大きく、それだけで異彩を放っていた。

 それでいて悪役令嬢を演じようとしつつも“おじさん目線”が出てしまい、ちょっとしたことですら経験を活かして上手に解決してしまう。年齢が比較的近い人であれば思わず頷いてしまうはずだ。

 さらに、あまりにもスムースに事を運んでしまうため、本来ならゲームの主人公アンナとイケメンキャラたちがメインになるはずのところで、グレイス(憲三郎)の好感度ばかりが上がっていくのが面白い。

 そんな話で盛り上がっていくゲーム世界でのストーリーなのだが、実は……という展開もあり、ちょっとしたミステリーもはらんでいるため、全編を通して見終えるまでは先が気になってしょうがない構成になっている。

 エンディング曲が「マツケンサンバII」だったり「銀河鉄道999」だったということで話題にもなったが、中身のストーリーなどもしっかりしていて面白いので、ぜひ見てほしい。

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