カルマ ※バルクオムのプレスリリースより

 チャンネル登録者数100万人をわずか1年で達成してしまったYouTuberが、YouTuber事務所ではなく、あえて大手に所属する。YouTube界の異端児と呼ばれるカルマの戦略は計り知れない。

 同名漫画の実写化ドラマ『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日、2023年)ゲスト出演をきっかけに俳優活動にも力を入れている。現在では“元YouTuber俳優”という認識さえあるほど、演技には定評がある。

 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、「遠回り」を肥やしに独学で演技を磨いてきたYouTuber俳優カルマについて解説する。

◆生身の俳優による翻訳

 漫画作品を原作とする実写化映画で演技する俳優というのは、ものすごい違和感とのせめぎあいを演じているように思う。その違和感とは、2次元の漫画世界を3次元の生身の俳優が映画として翻訳する労力だと言い換えてもいい。

 2002年に公開された曽利文彦監督の『ピンポン』をエポックメイキングとして、今では当たり前のように実写化作品を享受している。原作漫画が映像に置き換わるとき、俳優はキャラクターのビジュアルの再現度など、原作ファンの厳しいチェックを受けなければならない。

 生身の俳優による翻訳作業としての演技はこうして困難を極めるのだが、2010年代に数々の少女漫画原作の“きらきら映画”に主演して実写化王子の異名を取った山

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