エリザベス皇太后(クイーンマザー)が逝去した2002年のニュースが最近、再び関心を集めている。それは、イギリス王室を離脱したヘンリー王子が9月15日、40歳の誕生日を迎えたため。

ロイヤルファミリーの一員として公務を行う立場から退いたヘンリー王子はそのときから、公費からの報酬を受け取っていない。だが、王子はもちろん、いまもロイヤルファミリーの一員。

そのため王子はいまも変わらず、曾祖母のクイーンマザーが残した巨額の遺産を受け取る権利を持っていると考えられる。

『ガーディアン』紙や『BBC』は2002年4月、クイーンマザーが1994年に、ひ孫たちのために約1900万ポンド(当時の為替レートで約29億円)で信託を設定していたと報道。『ガーディアン』紙はさらに、次のように伝えていた。

「ウィリアム王子とヘンリー王子はそれぞれ21歳になったときに、合わせておよそ600万ポンドの中から遺産を受け取るとみられている。弟の王子は、君主にならないことの埋め合わせとして、そのうちかなり多くを相続することになるとみられる」

「さらに2人は40歳になったとき、合わせて約800万ポンドからそれぞれの相続分を受け取る」

「アン王女の子ども、ザラとピーター、アンドルー王子の娘たち、ベアトリス王女とユージェニー王女、そしてマーガレット王女の子どもたち、リンリー子爵(デヴィッド・アームストロング=ジョーンズ、現在はスノードン伯爵)とレディ・サラ・チャットもそれぞれ、数百万ポンドの中から遺産を受け取る」

『タイムズ』紙は9月6日(現地時間)、ヘンリー王子が遺産を受け取った可能性があることを報道。その後、その他のメディアも相次いでこのニュースを報じている。だが、それらは過去の『ガーディアン』紙と『BBC』の記事の内容をなぞっているにすぎず、信託についても、新たな情報は付け加えられていない。

当時伝えられた詳細に変更がなければ、ヘンリー王子は40歳になると同時に、800万ポンド(約14億円)のうち50%以上を受け取ったことになる。

ちなみに、公務から収入を得ているメンバーを含め、ロイヤルファミリーは個人で所有する資産を公表する義務を負っていない。公務を担うことで国庫から受け取った金額についてのみ、年に一度発表される報告書で明らかにされている。

From TOWN&COUNTRY

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