古今東西の昔の風俗知識を投稿する「昔の芸術をつぶやくよ」さん(「ヤスダコーシキ」名義で著作あり)(@LfXAMDg4PE50i9e)のグロテスクで怖くて切ない話を、今回は棘茸botさん(@togekinoko12)に、アクション漫画風に描いていただきました。怖さと美しさのアンバランスな共存をお楽しみください。

【漫画】「昔の芸術を〈少女漫画風に〉つぶやくよ」本編を読む

「青髭」というお話をご紹介します。

青髭_タイトル

グロテスクで血にまみれた「青髭」は、童話の皮をかぶったサイコホラー。「眠りの森の美女」「赤頭巾ちゃん」「長靴をはいた猫」などを書いたシャルル・ペローの作品とは思えないエグい過激な作品です。金持ちの青髭のもとに嫁いできたソフィーですが、結婚相手の正体は世にも恐ろしい……

※一部ショッキングなシーンがあります。心臓の弱い方は閲覧をご遠慮ください。

※本記事は発売中の「昔の芸術を〈少女漫画風に〉つぶやくよ」から一部抜粋・編集しました。

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――「青髭」は普段アクション漫画を描いている漫画家さんに描いてもらいました。童話「青髭」がアクション漫画風に仕上がった率直な感想をお聞かせください。

ヤスダコーシキさん(以下:ヤスダ):勧善懲悪的なおとぎ話である青髭には、動きのあるこの絵柄がぴったりだと思います。ジョジョや北斗を読んで育ってきた世代なのでやはりアクション漫画は血が湧きますね。「そこに青髭が帰ってくる」のロゴには痺れました。

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――童話には、「絶対に●●してはいけない」という禁止事項やルールがあり、それを破ると恐ろしいことが起こる、というフォーマットがあります。ヤスダさんの中で、この前振りはすごかった、というものがあればぜひ教えてください。

ヤスダ:「絶対に●●してはいけない」という前フリでしたら、知名度からしてやっぱりパンドラの箱でしょうね。彼女が箱を開けたおかけで人類には犯罪や病気や飢えなどのあらゆる災厄が降りかかるようになりましたw。ちなみにこの箱なのですが、最初は甕(かめ)だったそうです。そして最後に箱に残ったものは必ずしも「希望」とは言えないとか。便宜上「希望」とされていますが、どっちかというと「前向きな何か」という曖昧なものみたいです。

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――青髭はなぜわざわざ、完全な前振りをして、元妻たちの死体が詰め込まれた部屋の鍵をソフィーに渡したのだと思いますか?

ヤスダ:青髭はソフィーを退屈させたくなかったのでしょうね。だからいろいろな部屋を見物できる鍵の束を渡した。その束の中にたまたま死体部屋の鍵が混じっていたという感じでしょうか。なら最初から死体部屋の鍵外しておけよと思いますが。

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――この青髭登場のシーンは圧巻で、身震いするほどでした。タイミングよく帰宅する青髭もちゃんと展開をわかっていてさすがです。このシーンに、あえて冷静なツッコミをお願いします。

ヤスダ:人の上に立つ立場である以上、リスクヘッジの概念は大切です。どんなタイミングで帰っても犯罪がバレないようにするのが貴族のたしなみというものです。

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――連続殺人鬼の青髭のお話でした。この話の教訓があれば教えてください。

ヤスダ:「金持ち独身オヤジ」にはろくな奴がいませんので、若い女性は気を付けましょう!

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