19世紀末のアメリカで”電流戦争”と呼ばれる争いが起こった。
地球と太陽、誕生のひみつ。地球はいつ、どうやってできたのか?
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
■エジソンはひどい人!?「電流戦争」の裏にあるテスラとの因縁!
19世紀末のアメリカで”電流戦争”と呼ばれる争いが起こった。電気を送る方法としては直流がすぐれていると主張する発明王エジソンと、交流が効率的だというニコラ・テスラの論争である。これは産業界を巻き込んで、激しいシェア争いが展開された。
二人のあいだには、過去の因縁があった。1856年に現在のクロアチアで生まれたテスラは、1884年にアメリカに渡り、エジソンが経営する会社で働いていた。あるときテスラが発電機の改良計画を提案したところ、エジソンはその革新性を認め、完成させたら5万ドルのボーナスを出すと約束した。テスラが研究を重ねて計画を完成させ、ボーナスの支払いを求めたところ、エジソンは「君はアメリカ流のユーモアがわかっていないようだな」と一笑に付しただけだった。裏切られたテスラは失意のうちに退社し、独立した。
当時のアメリカは、大規模電力事業の展開期だった。エジソンは交流で送る高圧電流は危険だと主張したが、テスラは交流電流の安全性を実証して実業家ウェスティングハウスに認められた。その結果、交流電流が発電所や電化製品で用いられることとなり、現代にも続く電力の世界標準になったのである。
テスラはほかにも、無線トランスミッターや放電照明を発明し、太陽光、風力、地熱を使ったエネルギーの可能性を探るなど数々の功績を挙げ、磁束(じそく)密度の国際単位「テスラ」にその名を残している。あまりの先進性ゆえか、晩年は怪しげな発明にのめり込む奇人として見られたが、最近では交流電力の完成者、無線の先駆者として復権を果たしつつある。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』