加害者の青年
お昼に流れたほんの2分ほどのニュース。それは弟の死を伝えるものでした/16歳で帰らなくなった弟(1)
死ぬほど後悔していることがある。
出かけようとしている2人に、あの時どうして声をかけなかったのか–。
高校3年の夏、1つ下の弟がバイクの事故で亡くなった。職人気質の父、肝の据わった母、思春期をこじらせた姉、ヤンチャだけれど誰からも好かれた弟。ケンカは絶えないながらも、ありふれた4人家族の日常を突然襲った悲劇。変わっていく周囲の人々やあらぬ噂に苦しみ、遺された家族の歯車も狂い出して…。
今ある日常は当たり前ではない、ということに気付かされる家族の崩壊と再生の物語。辛い体験を生々しく描いたエピソードに胸が締め付けられます。
※本記事はきむらかずよ著の書籍『16歳で帰らなくなった弟』から一部抜粋・編集しました。
■事故の詳細
大きな交差点で直進する弟と
アクセル全開だったバイク
直進してくるバイクに気がつかなかった
集まる人…
弟は交差点を青信号で直進していたのか
何も知らなかった
著=きむらかずよ/『16歳で帰らなくなった弟』