京王百貨店 新宿店では、百貨店の物産展としては最大級の規模・売上を誇る、年に一度の名物催事「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が、2025年1月4日〜22日(水)の19日間【展開期間(1)=1月4日〜8日、展開期間(2)=1月9日〜15日(水)、展開期間(3)=1月16日(木)〜22日(水)】で開催中。今回で60回目という節目を迎えた本大会について、担当者に聞いてみた。

【写真】10年ぶりに実演販売で登場!「あなごめし」も

――「第60回 元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」に関して、意図や狙い、ターゲットについて教えてください。

駅弁×ご当地ラーメンの実演も

「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」(以下駅弁大会)は“歴史・規模・集客、いずれも当社 No.1”の名物催事です。各地からさまざまな駅弁が集う京王百貨店の駅弁大会はいつからか「駅弁甲子園」とも呼ばれるようになりました。近年は列車の停車時間の短縮などで駅弁業界は厳しく消えゆく駅弁もあります。そこで駅弁のおいしさを一人でも多くのお客さまに知ってもらいたい、地元の駅まで食べに行ってもらいたい。そんなきっかけの発信にと、ローカル線応援や地域のまちおこしにつながる企画などの数々をこれまでも展開してきました。60回を迎える今大会でもお客様に魅力を届けたいという想いを込めて調製元と共に開発した新作駅弁が多数登場します。より多くの方に多彩な楽しみ方で駅弁の魅力に触れていただくことで、駅弁大会、ひいては駅弁業界を盛り上げ、この先の未来へつないでいく大会を目指しています。

――今大会のテーマやそれに込めた想いについて教えてください。

【写真】10年ぶりに実演販売で登場!「あなごめし」も

テーマは“懐かしい味、新しい味わい”です 。昨今は各地の食文化に根差した多種多様な駅弁が注目され、旅先でご当地グルメとして楽しまれたり、容器のコレクションをしたりと駅弁の楽しみ方は多様化しています。60回という長い歴史をつないで迎えた今大会では、長く愛される名物駅弁はもちろん、駅弁調製元が工夫や挑戦を続け生まれた新たな駅弁の味わいどちらの魅力も楽しんでもらいたいという想いをテーマに込めました。

――注目してほしい企画や商品について教えてください。

「6層ミルフィーユ駅弁」 「ほたて華寿しの海鮮ミルフィーユ弁当」2700円

大会60回目を迎え、これまでにない何か新しいことはできないかと今回「6層ミルフィーユ駅弁」を初展開します。豪華食材とご飯を6層に重ね合わせた初めての試みとなります。贅沢感と宝探しのようなワクワク感を追求し、食べ進めるごとに食材と味わいの変化が楽しめるので、注目してもらいたい駅弁の一つです。食材の味を引き立て、最後までおいしく食べられるよう各調製元がこだわったご飯の味付けも必見です。

――1966年から始まり、今年60回目を迎えた本大会ですが、今後の展望について教えてください。

観光列車の駅弁も実演販売でやってくる

毎年、クリスマスが近づくと折込チラシ、特設サイトの公開時期など駅弁大会についてのお問い合わせを多数いただきます。毎年楽しみに待ってくださっているお客様に喜んでいただけるよう、今後も調製元の皆さまとともに新たな駅弁の開発をはじめ、なかなか味わえない希少な駅弁の展開などさまざまな企画を実施して駅弁の魅力を発信していきたいです。

–読者へのメッセージをお願いします。

20種類のひっぱりだこ飯が大集結

開催期間中は、実演、輸送販売含めおよそ350種類の駅弁が集結するほか、各地のうまいものもそろいますのでぜひご当地の味をお楽しみいただきたいです。

■60回大会記念企画(1) 「6層ミルフィーユ駅弁」実演

大会60回目を迎えられたことに感謝を込めて、これまでで初めての試みとなる豪華食材とご飯を6層に重ね合わせた駅弁を展開。贅沢感と宝探しのようなワクワク感を追求した、食べ進めるごとに食材と味わいの変化が楽しめる駅弁だ。食材の味を引き立て、最後までおいしく食べられるよう各調製元がこだわったご飯の味付けも必見。

「6層ミルフィーユ駅弁」実演

●福井県 北陸新幹線/福井駅  展開期間(1)・(2)「越前甘エビとイクラの贅沢海鮮重」2480円 各日400食販売予定

若狭小浜の郷土料理「焼き鯖」を押し寿司に仕立てた駅弁「焼き鯖すし」が人気の調製元「若廣」。甘みが強くとろけるような食感が特徴の福井県産の甘エビに、国産サバを特製醤油で漬けた漬け鯖、イクラ、本ズワイガニを贅沢に楽しめる6層に仕上げた。異なる薬味を合わせた酢飯による“味変”も楽しめる。

●茨城県 常磐線/水戸駅 展開期間(1)・(2)「ひたち牛 三種味くらべミルフィーユ弁当」2200円 各日400食販売予定

地元駅弁の復活をかけ2011年に販売開始した「常陸牛 牛べん」が人気の調製元「しまだフーズ」。甘めのタレで味付けした常陸牛のそぼろ、白ご飯との相性も抜群の常陸牛のすき焼き、一番上には常陸牛ステーキを贅沢に乗せた常陸牛のおいしさが詰まった弁当だ。ご飯は茨城県産コシヒカリを使用。茨城が誇るブランド牛「常陸牛」のおいしさはもちろん、読み間違える人も多いといわれている“常陸(ひたち)”という名前をもっと身近に感じてもらいたいという想いも込めて開発した新作である。

●北海道 函館本線/旭川駅 通期「ほたて華寿しの海鮮ミルフィーユ弁当」2700円 各日400食販売予定

1899年創業、北海道・旭川駅の立売からはじまった「旭川駅立売商会」は地元を代表する老舗調製元。一番上には北海道産ホタテを花びらのように見立ててたっぷりと乗せ、見た目の華やかさにもこだわった弁当だ。ウニ、イクラ、ズワイガニ、鮪のたたきなど計8種の海鮮が贅沢に一度で味わえる。

■60回大会記念企画(2)「復活!対決企画」実演

全国各地の食材が集まる駅弁大会ならではの特徴を活かして、地域は違えど同じ食材やテーマ性の駅弁の食べ比べを楽しみ、日本各地の風土や食文化の特徴、魅力に触れてもらうことをテーマにしている。第33回大会(1998年)から実施している人気企画がコロナ禍を乗り越え5大会ぶりに完全復活!

この対決企画をきっかけに「牛肉どまん中」(2000年の牛肉対決で初登場し実演販売個数ランキングにおいても2位を獲得。以降25年連続ベスト10入り)など、スター駅弁の仲間入りを果たした駅弁も。

■「至高の美味 ブランド牛対決〜近江牛×佐賀牛×神戸牛〜」 対決シリーズ第42弾

肉系駅弁に定評のある調製元が作る、ブランド牛を堪能できる新作が登場する。

「至高の美味 ブランド牛対決〜近江牛×佐賀牛×神戸牛〜」 対決シリーズ第42弾

●滋賀県 東海道本線/草津駅 通期 「近江牛【極スペシャル】」2300円 各日600食販売予定

1889年、草津駅開業とともに創業した老舗調製元「南洋軒」。59回大会の実演個数販売ベスト3にランクインした駅弁「近江牛 極」がパワーアップして対決企画に登場。通常品よりカットステーキ60%増量で登場した前回だが、今回の「近江牛【極スペシャル】」ではカットステーキをさらに10%増量。ご飯の上の半分の面に特製の割下で仕上げたすき焼き、ショウガをトッピング。もう半分の面に、ピリッとした甘辛さがおいしい焼肉に糸唐辛子を乗せ、その上にさしが入った近江牛ステーキを贅沢に全面に盛りつけて仕上げた。

●佐賀県 佐世保線/武雄温泉駅 通期 「佐賀牛サーロインステーキ&赤身ステーキ弁当」2200円 各日500食販売予定

佐賀県武雄温泉駅構内にカフェを構える調製元「カイロ堂」。佐賀県を拠点に焼肉店も展開しており、佐賀牛を一頭買いし上質な肉にこだわった肉弁当が充実する、九州駅弁グランプリ3連覇の有名店だ。A5等級の佐賀牛のサーロイン・赤身のステーキを贅沢に盛り合わせた佐賀牛の旨味を堪能できる弁当が登場する。

●兵庫県 東海道本線/神戸駅 「神戸牛のすきやきと肉めし」2280円 各日500食販売予定 展開期間(1)・(2)

1903年創業、関西屈指の老舗駅弁調製元「淡路屋」。カレー風味のご飯に牛肉を敷き詰めた長年愛される神戸の名物駅弁「肉めし」と特製タレで味付けした神戸牛のすき焼きを一度に楽しめる弁当が登場!肉めしの牛肉は、ローストビーフ風にじっくりと焼いた神戸牛を乗せて仕上げた。

■「海のごちそう頂上対決〜カニ×ウニ×アワビ〜」 対決シリーズ第43弾

海鮮系駅弁の中でも人気の高い食材をメインに据えた新作が登場する。

「海のごちそう頂上対決〜カニ×ウニ×アワビ〜」 対決シリーズ第43弾

●北海道 根室本線/釧路駅 通期 「道産三大蟹ちらし」2592円 各日500食販売予定 

1917年創業、カニをはじめとする海の幸を使用した駅弁に定評がある「釧祥館」。北海道産の毛ガニ棒肉、花咲ガニ棒肉、タラバガニのフレークを贅沢に盛り合わせた弁当だ。

●福島県 常磐線/いわき駅 展開期間(1)・(2) 「うに貝焼きと生雲丹合盛り弁当」2880円 各日200食販売予定

郷土料理・うに貝焼きを主役にした「うに貝焼き食べくらべ弁当」が人気の「小名浜美食ホテル」。生ウニのとろけるような食感と甘みを堪能できる新作駅弁だ。中央に「うに貝焼き」を乗せたうにづくしの弁当。

●北海道 函館本線/小樽駅 通期 「あわび・かき・ホタテ食べ比べ弁当」2650円 各日200食販売予定

北海道小樽駅の有名駅弁「海の輝き(2430円)」を手掛ける「小樽駅構内立売商会」。贅沢に蝦夷アワビを中央に乗せた新作が登場。香ばしく焼いた北海道産ホタテ貝柱に甘辛く味付けしたカキ、北海道産ホタテ、本ズワイガニの棒肉、ウニ、イクラ計7種類の海鮮をたっぷりと楽しめる。

■■60回大会記念企画(3)「新幹線旅グルメ6マス弁当」実演  京王百貨店限定

昨年、新宿店と同じく60周年を迎えた東海道新幹線。今回で駅弁大会が60回目を迎えることにちなんで新幹線の停車駅で販売している各地域の駅弁を6マスに詰めた弁当を実演販売する。各地の名物駅弁を新たな形で楽しめる(※駅での販売はなし)。

写真左<東海道新幹線編>            /写真右<上越・北陸新幹線編>

<東海道新幹線編>2500円 各日150食販売予定 展開期間(1)・(2)

静岡駅「元祖鯛めし」

豊橋駅「稲荷寿し」

名古屋駅「松浦の味噌ヒレカツ重」

岐阜羽島駅「ひつまぶし弁当」

米原駅「近江牛ステーキ&焼肉弁当」

京都駅「きつねの鶏めし」

<上越・北陸新幹線編>3000円 各日150食販売予定 展開期間(1)・(2)

東京駅「東京しゅうまい弁当」

新潟駅「えんがわ押し寿司」

加賀温泉駅「加賀のかにすし」

富山駅「源 ぶりかまめし」※輸送

福井駅「焼き鯖すし」

福井駅「越前かにめし」

写真左<北海道・東北・山形新幹線編>/写真右<山陽・九州・西九州新幹線編>

<北海道・東北・山形新幹線編>2500円 各日150食販売予定 展開期間(3)

東京駅「そば屋の天むす」

宇都宮駅「復刻とりめし」

米沢駅「牛肉どまん中」

福島駅「うに貝焼き食べくらべ駅弁」

仙台駅「厚切り真たん 牛たん弁当」

新函館北斗駅「鰊みがき弁当」

<山陽・九州・西九州新幹線編>3000円 各日150食販売予定 展開期間(3)

西明石駅「ひっぱりだこ飯」

姫路駅「どっさり牡蠣めし」

博多駅「かしわめし」

広島駅「夫婦あなごめし」

長崎駅「ながさき鯨カツ弁当」

出水駅「極 黒豚めし」

■「第60回記念 特製どんぶり企画」

第50回(2015年)大会から続く恒例の記念丼企画。その年の干支をモチーフにした丼のデザインと底面に入った駅弁大会ロゴが特徴で、中身を毎年変えて販売している。

●静岡県/「こだわりそぼろの鯛めし」1950円 各日150食販売予定 実演  展開期間(1)・(2) 特別企画品

静岡県の「こだわりそぼろの鯛めし」各日150食限定

60回目を迎えた今大会の記念どんぶりを手掛けるのは1889年の創業、「元祖鯛めし」で知られる「東海軒」。醤油の味付けご飯に、独自の製法による甘い味付けの鯛のそぼろをまぶした「元祖鯛めし」に、ヒメ鯛の煮付けを乗せて仕上げる。同店ならではのふんわりとした鯛そぼろの食感にもこだわっている(※駅での販売はなし)。

<今大会限定で第50〜59回大会の記念どんぶりを輸送コーナーで販売!>

輸送コーナーにてこれまでの第50〜59回大会で販売していた記念丼を今大会限定で販売する。丼の中身も復刻するため、あの味をもう一度食べたかった、どんぶりをコレクションしたかったという人は特に必見だ。

本記事で紹介した以外にも全国各地の選りすぐりの駅弁が大集結している本大会。日常ではなかなか出会うことの困難な駅弁も堪能できる、貴重な機会になることだろう。60回を記念する「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」に足を運んでみよう。なお、最新情報は京王百貨店公式サイトを確認してほしい。

文=久米碧

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