時代劇ファンにはおなじみの『暴れん坊将軍』(テレビ朝日)シリーズ、実に17年ぶりの新作『新・暴れん坊将軍』が、1月4日に放送された。松平健が演じる8代将軍、徳川吉宗役の魅力は色褪せていなかった。
2024年後期の朝ドラ作品として放送されている『おむすび』(NHK総合)では、松平が演じる主人公の祖父・米田永吉役の暴れん坊っぷりが話題でもある。
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、暴れん坊将軍と暴れん坊じいさんの両役を演じる松平健を解説する。
◆お決まり尽くしの時代劇シリーズ
徳川綱吉治世下、ちりめん問屋の隠居に扮した水戸光圀が、全国を旅しながら世直しをする『水戸黄門』シリーズ(TBS)では、悪代官を成敗するお決まりのクライマックスに「この紋所が目に入らぬか」という決め台詞がある。
同様に、征夷大将軍である徳川吉宗自ら江戸の世直しをする『暴れん坊将軍』シリーズでも、決め台詞「余の顔を見忘れたか!?」が炸裂する。水戸藩の水戸光圀と紀州藩の藩主から将軍になった徳川吉宗という、御三家に出自をもつキャラクターによる破天荒な世直し物である。
決め台詞のあとには仰々しい効果音が入る。仰々しいけどこれがないと締まらない。視聴者にとってもお決まり。時代劇ならでは。待ってましたの興奮がある。お決まり尽くしの時代劇シリーズである後者から、実に17年ぶりの新作『新・暴れん坊将軍』が放送されたのは素直に嬉しいものである。
◆恒例の新年スペシャル
『暴れん坊将軍』といえば松平健。松平健といえば『暴れん坊将軍』。2024年には、松平健のデビュー50周年を記念して舞台化作品が明治座で上演された。2025年新年に放送された『新・暴れん坊将軍』は、周年の延長というわけである。
『暴れん坊将軍』シリーズ大ファンである筆者は、ちょうど2024年の年の瀬に時代劇専門チャンネル(2024年12月24日放送)で、記念すべきスペシャル第1弾作品『暴れん坊将軍