本当は言いたかった

3人で新しい生活をするんじゃなかったの? 母に連れられ姉妹がやってきた場所/親に捨てられた私と妹(1)

10歳の姉・朋と9歳の妹・真由。両親の離婚後、小学生の姉妹に待っていたのは、あまりにも辛い現実でした–。

親が怒鳴り合う姿を見ないで済むなら、どこに住んでも、貧乏暮らしでもいい…。両親の離婚でようやく地獄のような日々が終わり、これから母子3人の新しい生活が始まると思っていた朋。ところが母は何も知らせぬまま子どもたちを伯母の家に預け、逃げるように去っていきました。

愛人をつくって家族を捨てた父、自分の人生をやり直すために子どもを捨てた母。身勝手な両親に翻弄されながらも、どうしても親のことを嫌いになれない姉妹が手を取り合い、悩み苦しみながらも成長していくエピソードをお送りします。

両親が離婚し親に捨てられました

※本記事はひらたともみ著の書籍『親に捨てられた私と妹 不器用な人』から一部抜粋・編集しました。

父は…身勝手な人だ

お父さんの匂いがする…

お父さん今度いつ来る?

帰っちゃ嫌だ!!お父さん!!

そういうのなんかうらやましいな…

それが一番楽しいの

私はいつなくしたんだろう

私の家族どこに行けば会えるの…

一度捨てられたとはいえ、姉妹にとってはたった一人のお父さん。気まぐれで会いに来ては、あっという間に帰っていきますが、2人は父と車の中で過ごすわずかな時間を心待ちにしていました。

「帰っちゃ嫌だ」「一緒に暮らしたい」そんな思いを飲み込んで笑顔を作る子どもたち。新しい家族を持った父に、その姿はどう映っていたのでしょうか。

著=ひらたともみ/『親に捨てられた私と妹 不器用な人』

【著者プロフィール】

ひらたともみ

栃木県宇都宮市在住のイラストレーター。

20代、30代、40代と出産を経験し、現在、2男1女の母として、終わらない子育てに奮闘中。

著書『これでいいのだ!働くかあちゃん』(中経出版)

趣味はハイボールを呑みながらイケメン俳優を眺めること。

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