米カリフォルニア州のロサンゼルス周辺で続く山火事で、『ブルース・ブラザーズ』などの映画に出演していたダリス・カーリーさんが死亡していたことがわかった。95歳だった。人気女優のジェニファー・ガーナーも、今回の火災で「友人を亡くした」と明かし、さらに「100人の友人が家を失った」と語っている。
◆「メガネを取らないまま寝落ちて……」孫娘が語った一部始終
かつて女優として活動し、『ブルース・ブラザーズ』(1980年)『ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実』(1972年)などの作品に出演していたダリスさん。今月12日(現地時間)、イートン地区の火災によって全焼した自宅から遺体で発見され、検視官によって身元が確認された。現地の放送局『ABC7 Los Angeles』が伝えた。
俳優業から引退した後、ロサンゼルス近郊のアルタデナの自宅で、生き生きと老後を過ごしていたというダリスさん。報道によると、火災が発生した先週7日は、病院を訪れた後、孫娘のケリーさんによって自宅に送り届けられた。診察に時間がかかり、家に到着したのは日付が変わったころだったが、そのときはまだダリスさんの自宅周辺に火の手は迫っておらず、避難命令なども出ていなかったという。
病院でヘトヘトに疲れ、自宅のベッドで早く眠りたいと話すダリスさんを見届けた後、自分の家に帰ったケリーさん。その数時間後、イートン火災の被害が拡大したことを知り、祖母の自宅へと駆け付けた。しかし、あたり一帯は煙と灰に包まれ、「地獄のような状況だった」という。
ダリスさんとも連絡が取れず、避難所まで探しに行ったものの、手掛かりはなし。その後、軍の関係者に付き添われ、再び祖母の自宅へ。しかし建物は焼け落ち、ガスの匂いも立ち込めていて、長くとどまっていられない状況だったという。
それから数日経った12日の夕方、ダリスさんの遺体が確認されたと連絡を受けたという。英紙『Daily Mail』は、遺体とともにメガネのフレームも見つかったと報じ、ケリーさんが涙ながらにこう語ったと伝えた。
「祖母はその日、本当に疲れていたので、メガネを取らないまま寝落ちてしまったんだと思う」
◆米人気女優「友人を亡くした」悲痛な思い語る
米人気女優のジェニファー・ガーナー(52)は、今回の山火事で友人の1人を失ったことを明らかにした。
米ニュース専門放送局『MSNBC』のインタビューに応じた彼女は、友人が亡くなったことは事実であると認めたものの、あまりのショックにまだ話す気にはなれないとしている。
「友人を亡くしたのは、本当です。私たちの教会にとっても、本当にデリケートな問題です」
「ですから、彼女のことについて、まだ話すべきではないと思っています。でもそうなんです、避難が間に合わず、友人は亡くなってしまった」
◆家の中を歩くと、罪悪感を感じる
これまでのところ、特に火災の被害を受けていないというジェニファーの自宅。そのため、家が避難勧告地域に入っている元夫ベン・アフレックも避難してきていると報じられている。元妻ジェニファー・ロペスと破局後、30億円以上で購入したカリフォルニア州ブレントウッドにあるベンの自宅も、現段階では被害は免れているそうだ。
ただ、25年間同じ地域に住み続けているという彼女は、家を失った友人たちのことを思うと、罪悪感に駆られるとも明かした。
「友人たちのことを思うと胸が張り裂けそうです。住処を失った100世帯、5000棟が思い浮かびます」
「よく考えなくても、家を失った友人の名前を100人挙げることができます」
「家の中を歩くと、一種の罪悪感を感じます」
このような困難な状況のなかで、「私に何ができる? どうやったら助けられる? 今の私に提供できるものは何?」と必死に考えたというジェニファー。「そう遠くない場所で何か力になれることがあるはず」と気づいた彼女は、世界中の被災地で食事支援を行う米NGO「ワールド・セントラル・キッチン」で活動を開始。
避難所に身を寄せている人々や、消防隊員など現場で対応にあたっている人々に食事を提供する手伝いをしている。
ロサンゼルス郡検視局によると、今回の山火事でこれまでに27人の死亡が確認された(1月16日時点)。当局は「まだ危機は脱していない」として住民に警戒を呼び掛けており、いまも8万人以上が避難の指示の対象になっている。
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>