公園に娘を連れて行っても、1人でポツン。母は焦って「みんなと遊んだら?」→ 娘の言葉に、思わずハッ

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育児って本当に大変ですよね。特に初めての育児だと、何もかもが手探りで、不安になる人もいるのではないでしょうか。育児書通りにいかないことの方が多いのも現実です。今回は子育て中の友人の体験談をお届けします。

理想と現実

娘が幼かった頃のことです。育児書通りにいかない毎日に、私は疲弊していました。

特に悩んでいたのは、娘の引っ込み思案な性格。
他の子どもたちが元気に遊んでいる中でも、娘は1人ポツンといることが多く、活発な子になってほしいと願う私は、その様子を見るたびに焦りを感じていました。

公園での出来事

ある日の午後、公園に娘を連れて行きました。予想通り、娘は遊具には目もくれず、1人で遊んでいます。
他の子どもたちが楽しそうに遊んでいるのを見るとたまらなくなり、思わず「みんなと遊んだら?」と声をかけました。

すると娘は、「ママ、みて!」と小さな声で言いました。
娘が指差す先を見ると、地面に小さなアリの巣が。
娘はしゃがみ込み、アリたちが巣穴に出入りする様子をじっと見つめているのでした。

「アリさん、お家に入っていくね」「あ、また出てきた!」と、1人で楽しそうに呟いている娘。
私はその時、ハッとしました。

娘なりの楽しみ方

娘は決して、ただボーッとしていたわけではありませんでした。むしろ自分なりに世界を見つめ、熱中できるものを見つけていました。
その時の娘は、アリの巣という、小さな世界に広がる大きなドラマに心を奪われていたのです。

「……ママも一緒に見てみようかな」ふと思いつき、私は娘の隣に座り込みました。
すると娘は、目を輝かせながらアリの生態について話し始めました。女王アリ、働きアリ、巣の構造、驚くほど詳しい知識に、私はただただ感嘆するばかりでした。

それぞれの個性

それから2時間、私たちは一緒にアリを観察し続けました。

夜、生き物図鑑を嬉しそうに眺める娘を見て、私はつくづく思いました。
「育児に正解なんてない。子ども1人1人に違う魅力があるんだ……」

大切なのは、完璧な子どもを育てることではなく、その子らしさを伸ばしてあげること。
娘の持つ独特の感性、集中力、探究心。それらは私にとって、育児書には書かれていない、大切な発見でした。

試行錯誤しながら、子どもと一緒に成長していけばいい。そう気づいた時、肩の力がふっと抜けた気がしました。

公園での出来事は、今でも私の大切な思い出になっています。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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