休職中に見た夜の隅田川。暗闇だからこそ際立つ光に、心が少しだけ軽くなったそう

【漫画】本編を読む

SNSでメンタルや生きづらさを題材にしたイラストと言葉を発信しているなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)。うつ病と適応障害で会社を休職した経験があり、当時は「うつになって恥ずかしい。逃げるようで情けない」と感じていたものの、今では「休職して本当に良かった」と心から思っているそう。コミックエッセイ「うつ逃げ〜うつになったので全力で逃げてみた話〜」は、そんななおにゃんさんの実体験をベースに描いた作品。病気から、会社から、果ては日本からも全力で逃げた1年間をお届けする。

■ 今でも忘れられないし、心の支えになっている

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夜の隅田川で水面に光が溶け込んでいる様子を眺めていると、「この暗い毎日だからこそ見える光があるのかもしれない」と思えた作者。

「うつ病で休職してしまい、『自分は何もない人間だ』と毎日どん底な気分だったのですが、そういう絶望している時に見る景色って、異常なほど美しいんです。もしかすると、大病を患った方が『桜ってこんなに綺麗だったんだ』と感動した話と、少し似ているのかもしれません。あの時見た夜の隅田川が今でも忘れられないし、自分の心の支えになっているので、絶望にも意味があったんだと思います」と振り返る。

本来、散歩は朝に行うのが良いとされているが、なおにゃんさんは朝が苦手なため、夜に散歩することもあったそうだ。そのことについて、「できれば午前中にちゃんと起きて散歩するのが理想的ではありますが、自分は朝がそこまで得意ではなかったし、『続ける』ことに意義を感じていたので、お昼に起きた時は午後に散歩したり、漫画に描いたように夜に散歩したりすることもたくさんありました。でも、毎日続けていると、不規則な生活が改善されるし、続けることで自己肯定感も上がるしで、少しずつ体調もよくなっていったように思います」と教えてくれた。

実際に前回のやつれていたうさぎと比べて、少しずつ元気を取り戻してきているように見える。「朝散歩を続けたことと、季節が変わり暖かくなって、一番ひどかった冬季うつが改善されたことで、身体も回復していったように思います」と話す。

辛く苦しい気持ちでひたすら寝て過ごしていた日々から、「この日々も大切にしよう」と前向きな気持ちが生まれた作者。これから彼女がどんな道を進むのか温かく見守っていきたい。

取材協力:なおにゃん(@naonyan_naonyan)

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