アカデミー賞女優 ジェシカ・チャステイン主演最新作『あの歌を憶えている』が、2025年2月21日(金)より、新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で公開される。
忘れたい記憶を抱え続けている女と、忘れたくない記憶を失っていってしまう男。NY・ブルックリンを舞台に、記憶に翻弄される不器用なふたりが出会い、新たな人生と希望を見つけていく、観る者の心を温かく抱擁する愛のヒューマンドラマ。
『或る終焉』や『ニューオーダー』など、人間の内面を真正面から、時に観る者を不安に陥れるほど暴力的な描写で描いてきたメキシコの俊英ミシェル・フランコ監督の新境地とも言える本作は、心に傷を抱えた男女が戸惑いながらも寄り添い、過去や人生と向き合う姿を静かに優しく描き出し、真実を愛で包み込む奥深い視線で、今この時代に希望に輝くエンディングを届ける。
主演は、『タミー・フェイの瞳』(21年)でアカデミー賞主演女優賞受賞を果たし、名実ともにハリウッドのトップスターの一人となったジェシカ・チャステイン。過去と格闘するシングルマザーでソーシャルワーカーのシルヴィア役を演じた。
わずかに残る遠い記憶を慈しむ若年性認知症を抱えるソールを演じたピーター・サースガードは、その難しい役どころを情感豊かに体現し、「第80回ベネチア国際映画祭」にて最優秀男優賞を獲得。
その他、シルヴィアの妹オリヴィア役にメリット・ウェヴァー。シルヴィアの娘アナにブルック・ティンバー。シルヴィアの母親サマンサ役にジェシカ・ハーパーなど、実力派俳優たちが未来を予測できない実人生のリアリティを物語にもたらす。
また、全世界で1000万枚以上を売り上げた大ヒット曲であるプロコル・ハルムの「青い影」のエモーショナルな旋律が、登場人物たちの心情を際立たせる。
この本予告映像では、高校の同窓会に出席したシルヴィアが、帰宅した自宅前で寝ていたソールに声をかけるシーンから始まる。ニューヨークでソーシャルワーカーとして働くシングルマザーのシルヴィアは、同窓会の日に自分を尾けてきた理由を問い詰め、「都合が悪いと忘れるの?」と怒りをぶつけるが、ソールはただ一言「覚えていないんだ」と答える。その後、ソールが若年性の認知症を患っていることを知り、ソールの姪から「叔父を見てもらえたらうれしい」と頼まれたシルヴィアは、彼と時間を共有するようになる。
しかし、忘れたい過去の傷が癒えないシルヴィアは、深入りすることを恐れ、ソールとの距離を縮めることにためらい続ける。そんな中、ソールが「自由を奪われた」と呟くと、シルヴィアもまた「あの出来事が忘れられない」と心の奥に秘めていた思いを吐露し、涙を流すのだった。記憶の苦しみに囚われた二人が、互いに支え合う中で、凍りついた心は少しずつ溶けていく様子が切り取られている。
海外では、「記憶が光り輝くシーンを倍増させ、信じられないほどのフィナーレをもたらす。傑作だ」(パリジャン紙)、「紛れもないパワーを持った作品。今の時代に必要な映画だ」(ル・モンド紙)、「フランコ監督は、優しさと希望とともに素晴らしい驚きを与えてくれた」(テレラマ紙)、「記憶の隙間をなんとかすり抜けていくカップルを描いた美しい愛の映画」(リベラシオン紙)など、ジェシカ・チャステインとピーター・サースガードの素晴らしい演技力だけでなく、作品の内容も評価が高く、期待値が高まるレビューが相次いだ。ハリウッド俳優のジェイク・ギレンホールもインスタで❤❤❤と投稿するなど、映画関係者からの支持も熱い。
■ストーリー
世間を恐れていたふたりの心の殻は、ゆっくりと溶けていく――ソーシャルワーカーとして働き、13歳の娘とNYで暮らすシルヴィア。若年性認知症による記憶障害を抱えるソール。それまで接点もなかったそんなふたりが、高校の同窓会で出会う。家族に頼まれ、ソールの面倒を見るようになるシルヴィアだったが、穏やかで優しい人柄と、抗えない運命を与えられた哀しみに触れる中で、彼に惹かれていく。だが、彼女もまた過去の傷を秘めていた─。
監督・脚本:ミシェル・フランコ
出演:ジェシカ・チャステイン、ピーター・サースガード、メリット・ウェヴァー、ブルック・ティンバー、エルシー・フィッシャー、ジェシカ・ハーパー
2023年/103 分/アメリカ・メキシコ/英語/シネマスコープ/5.1ch /原題:MEMORY/日本語字幕:大西公子
配給:セテラ・インターナショナル
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