『孤狼の血』『朽ちないサクラ』などの著者である柚月裕子の傑作ミステリーを映画化した『盤上の向日葵』が、10月31日に公開されることが決定した（配給：ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント／松竹）。これにあわせてメインキャストも発表され、主演は俳優の坂口健太郎、共演には渡辺謙が名を連ねる。初共演となる二人がこん身の演技で火花を散らした。
物語は、とある山中で発見された身元不明の白骨死体から始まる。事件の唯一の手がかりは、死体と共に発見された高価な将棋の駒。その駒を手がかりに捜査を進める刑事たちは、この駒がこの世に7組しか現存しない非常に貴重なものであり、その持ち主がプロ将棋界に突如現れた異色の若手棋士・上条桂介であることを突き止める。
さらに捜査が進む中、＜賭け将棋＞で圧倒的な実力を持ちながら裏社会で生きてきた男、東明重慶（とうみょう・しげよし）の存在が浮かび上がる。果たして、上条と東明の間にはどんな過去が隠されているのか――。
主人公・上条桂介を演じた坂口は、「年齢を重ねて、自分の見え方が多少なりとも変わってきたんだなということをあらためて確信した作品。観てくださる方の苦しみや悩みだったり、想い、抱えているものに答えを出す作品というより、自分にしかできない選択を提示するような作品だと思っています」とコメント。
また、渡辺との初共演については、「常に自然体で、とても波長が合う、すごく気持ちの良い方でした。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という二つの役、二人の関係性を一緒に作り上げることができた」と手応えを語っている。
一方、東明を演じた渡辺は、「将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生き様に心奪われました」と語りつつ、「坂口君は真っ直ぐです。彼が演じる桂介も、困難な生い立ちの中、懸命に真っ直ぐに生きていきます。でも東明に会ってしまい、将棋の奥深さと勝利への執念に目覚めます。それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。今作で彼の違う一面が見られる事でしょう」と絶賛した。
監督を務めるのは、『君に届け』（2010年）、『ユリゴコロ』（17年）、『隣人X』（23年）など、繊細な感情描写で高い評価を得ている熊澤尚人。「人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマ」にほれ込み、自ら脚本も手がけた。
熊澤監督は坂口について、「運命に翻ろうされ、異端の棋士となる主人公の桂介を、繊細に、そして大胆に演じきってくれました。そんな桂介が東明と魂と魂をぶつけ合うシーンは見ものです。男の色気に満ちあふれた、今まで見たことのない坂口さんの新たな代表作が誕生したのではないかと感じています」。さらに、「賭け将棋で生計を立てる真剣師として伝説的な強さだった東明を、渡辺さんが演じてくれたおかげで、脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました」と渡辺への賛辞も贈っている。
この超特報映像は、決然とした表情で歩く主人公・上条桂介（坂口健太郎）の姿から始まる。警察車両が＜事件＞の発覚を伝え、＜将棋の駒＞、＜新人王戦トーナメント＞の会場風景が、その事件と将棋界との関わりを示唆する。その後に続く「命を張った真剣勝負、見たくねえのか」と暗闇から挑発する男・東明重慶（渡辺謙）の姿。血の付いた手、受け入れがたい感情に揺さぶられる上条の姿が続く。画面は一転し、「僕は、生きたいんだ」という上条の声に重なる、寒さに震える少年の姿。上条と東明に、いったいなにがあったのか。一面に咲き誇る向日葵が意味するものとはーー。＜宿命＞という重みをもった言葉にふさわしい、壮大で濃密なドラマがいま始まる！
■ストーリー
山中で発見された白骨死体。手がかりは、この世に7組しか現存しない将棋の駒。容疑者は、突如将棋界に現れプロ棋士たちを圧倒し、一躍時の人となった天才＜上条桂介＞。
捜査の過程で、賭け将棋で裏社 会に生きた男＜東明重慶＞の存在が浮かび上がり、やがて、謎に包まれた桂介の生い立ちが明らかになる。それは、想像を絶する過酷なものだった…。衝撃の結末、魂が震える慟哭のヒューマンミステリー。
監督、脚本：熊澤尚人
原作：柚月裕子「盤上の向日葵」（中央公論新社）
出演：坂口健太郎 渡辺謙
音楽：富貴晴美
制作プロダクション：松竹撮影所
製作：「盤上の向日葵」製作委員会
配給：ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント／松竹
（C）2025映画「盤上の向日葵」製作委員会
公式HP：https://movies.shochiku.co.jp/banjyo-movie/
公式X/Instagram：＠banjyo_movie