本当の自分になりたいと願い女性として新たに生きることを決意したメキシコ最恐の麻薬王と、彼女との出会いで運命を切り開いていく3人の女性たちの姿を名匠ジャック・オーディアール監督がミュージカル仕立てで描いた全く新しい異色の感動作『エミリア・ペレス』が、3 月 28 日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開される。
この度、本年度アカデミー賞助演女優賞受賞のゾーイ・サルダナが、歌曲賞を受賞した「El Mal」を熱唱する本編映像シーンが解禁となった。
新たな人生を歩み始めたエミリア・ペレス(カルラ・ソフィア・ガスコン)と、そのビジネスパートナーとなった弁護士のリタ・モラ・カストロ(ゾーイ・サルダナ)。メキシコでは犯罪に巻き込まれ、行方不明になる男女が何万人もいた。その犯罪を仕切っていた一人こそ、かつてのミニタス──エミリアだった。
過去を深く悔い、生まれ変わった彼女は、かつて麻薬王だった時代の情報網を活かし、行方不明者を捜索する団体“ラ・ルセシタ(小さな光)”を設立。資金調達のために慈善事業パーティーを開催するが、そこに集まったのは経済界の大物たちだけでなく、麻薬王、汚職政治家、詐欺師といった”汚れた金”で成り上がった者たちだった。
一方、リタには長年抱え続けた“怒り”があった。法廷では、明らかに罪を犯した男たちが、金の力で裁判を動かし、無罪放免されるという現実が横行していた。どれほど正義を信じ、法律を駆使しても、結局は権力と金の前に真実が歪められてしまう。このメキシコの腐敗した司法制度に対する怒りが、彼女の中で静かに燃え続けていた。
今回解禁されたのは、エミリアが団体の代表としてスピーチをするなか、「結局、根本は何も変わっていない」と鬱憤を抑えきれなくなったリタが心の叫びを爆発させるシーン。皮肉と怒りを込めた楽曲「El Mal」にのせながら、会場にいる全員が認めたくない“真実”を突きつけていく──。
本作の監督、ジャック・オーディアールは、「ゾーイはすべての条件を満たしていた。彼女は歌えるし、リードダンサーとして踊りもできる。さらに彼女の演技からは、強烈なカリスマ性も感じられた」と絶賛。しかし、彼女のキャスティングには時間を要したという。「ゾーイ自身もこの作品への出演を熱望していたが、スケジュールの都合から 1年待つことになった」と監督は明かす。そんな中、ゾーイは「El Mal」のパフォーマンスを完璧なものにするため、5か月にわたる準備を重ねた。カメラと完全に呼吸を合わせることで、一体感のある撮影を実現し、迎えた本番で彼女は期待をはるかに超えるパフォーマンスを見せつけた。すでに本年度の賞レースの歌曲賞部門を総なめにし、ついにアカデミー賞でも歌曲賞を受賞した「El Mal」だが、それを歌い上げたゾーイ・サルダナの圧巻の演技とパフォーマンスもまた、大きな話題を呼び、第97回アカデミー賞助演女優賞受賞を遂げた。
圧倒的な演技力、身体能力を持つゾーイ・サルダナが魅せる、渾身の「El Mal」パフォーマンス。観る者を釘付けにするその瞬間を、ぜひお見逃しなく!映画『エミリア・ペレス』は、3月28日より全国公開
■STORY
弁護士リタは、メキシコの麻薬王マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタの完璧な計画により、マニタスは姿を消すことに成功。数年後、イギリスに移住し新生活を送るリタの前に現れたのは、新しい存在として生きるエミリア・ペレスだった。過去と現在、罪と救済、愛と憎しみが交錯する中、運命は思わぬ方向へと大きく動き出す――
監督・脚本:ジャック・オーディアール『君と歩く世界』『ゴールデン・リバー』『パリ13区』
出演:ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス、アドリアーナ・パス
制作:サンローラン プロダクション by アンソニー・ヴァカレロ
配給:ギャガ
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