お互いを愛したすべての時間が私には天国だった。どこにいようとあなたに会いに行くよ。終末論を語る二人の間に流れる、二度と戻れない大切な時間…『私たちは天国には行けないけど、愛することはできる』本編映像解禁!

階級差別や性差別が色濃く残る1999年を舞台に、高校のテコンドー部に所属するジュヨンと少年院の学生イェジの出会いから物語は始まる。演出のハン・ジェイ監督がたまたま読んだ本の一節から着想を得たという、悲観と楽観が混在する作品タイトルのごとく、世紀末の10代の少女たちを取り巻く理不尽な境遇と、それにも関わらず愛することの喜びと美しさを対比させ描く。

暴力が当然視されていた時代において、互いに手を取り合いその状況を打破していく少女たちの成長物語でもあり、青春ものであり、ラブストーリーである本作を、『はちどり』のパク・スヨンと「イカゲーム」のイ・ユミ主演2人による瑞々しく繊細な演技がよりドラマチックで美しい物語へと見事昇華させている。

ストラダムスの大予言に沸いた1999年を生きる女子高生のジュヨンとイェジ。世界の終末について話すにつれて、最後を迎えるにあたり二人きりで落ち合う場所を決めることにした。決めた場所に会いに行くよ、と言うジュヨンの顔をどこか嬉しそうに、目に焼き付けるかのように見つめ返すイェジに対し「ロッテリア?…あの店は遠すぎる」と真剣な眼差しで答えるジュヨン。2人は考え抜いた結果、学校前の横断歩道で会うことに。

「何となくドラマチックで素敵だから。うちから近くて、美味しいトッポッキの店もあるし」とジュヨンがまだ残る幼さを携えながら答える様子に「そういうの、好きだね」と笑い承諾するイェジ。「終末って本当に来るのかな。私たち天国には行けないね。イエス様を信じないと地獄へ行くって母さんが」と突然口にするジュヨンに対し、「でも天国って本当にあるのかな。私はそういうの信じない」と答えつつ、他にも何か言いたげなイェジ。その様子が気になり、何が言いたかったのか問い詰め、言わないイェジをくすぐりじゃれ合う二人はバランスを崩してしまい、床に倒れこむが…。

他愛もない会話ではあるが、どこかロマンチックで絶対に戻ることのできない青春時代を思い出させる本編映像となっている。終末論の時代の混乱した空気と、たとえ天国には行けなくても愛だけは守った少女たちの姿を丁寧に描いている。
『私たちは天国には行けないけど、愛することはできる』は2025年3月14日公開

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