香港映画「All Shall Be Well(英題)」(原題「從今以後」)が昨日3月15日に第20回大阪アジアン映画祭(OAFF2025)で日本初上映され、大阪・テアトル梅田で行われたトークイベントに撮影監督のレオン・ミンカイ(梁銘佳)が登壇した。
「ソク・ソク」(原題「叔・叔」)のレイ・ヨン(楊曜愷)が監督を務めた本作は、第74回ベルリン国際映画祭でテディ賞を受賞した作品。60代のレズビアンカップルのアンジーとパットは、長年支え合って生きてきた。しかしパットが急死したことで、葬儀や遺産を巡り、それまで良好な関係だったパットの親族とアンジーの間に溝が生まれてしまう。パトラ・アウ(區嘉雯)がアンジー、マギー・リー(李琳琳)がパットを演じた。
「自分は仕事をするときには、感情に訴えかける映像になるよう取り組んでいます」と語るレオン・ミンカイ。「私自身、家族の関係や家族にまつわる法律に興味があり、今回こういった映画を作ることができて光栄に思います」と述べ、「まだ遺書を書いていない方は、これを機会に書いてみることを考えてほしいです」と伝えた。
ロケーションが素晴らしいという意見が飛ぶと、レオン・ミンカイは「監督とは以前仕事をしたときも、どのように日常を描くかということを突き詰めたんですが、それは今回の作品も変わらずでした」と振り返り、「この映画は市民の階級といった問題も描いているので、そこには気を付けています。例えば、市場のシーンではエキストラを使うのではなく、実際にそこにいる人たちを映しました」と述懐。また「この映画を撮影するにあたって1番難しかったのはアンジーとパットが住む家を探すことでした。なぜならあの家は映画の中で1番重要なキャラクターといってもいいからです」と話し、「家が決まってから、映画の中でいかに香港が抱えるいろいろな問題を表現していくかに取り組んでいきました」と振り返った。
第20回大阪アジアン映画祭は3月23日まで大阪・ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館にて開催。「All Shall Be Well」は3月22日にも上映される。
2025年3月14日(金)~23日(日)大阪府 ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館
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