新ベーシストMINAを迎えたEast Of Edenが、2枚のミニアルバムを経て、初のフルアルバム『The First Eden -Seeds Of Hope』を完成させた。これまではLOVEBITESとの仕事でも知られるMaoとの共同作業が多かったが、今作ではMEG (MEGMETAL)、丸山漠(a crowd of rebelion)、藤永龍太郎(Elements Garden)などを、幅広い作家陣が参加しながらも、East Of Edenとしての軸がブレることのない統一感のある作品に仕上がった。

Rolling Stone Japan WEB初登場となる今回、バンドの中心人物Ayasa(Violin)がなぜ女性バンドにこだわったのかという話からはじまり、East Of Edenのコアへグッと迫った(※この取材はツアー「East Of Eden Spring Tour 2025 〜Seeds Of Hope〜」開催前に行われた)。

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―East Of EdenはAyasaさんが女性だけのバンドを組みたいと思ってメンバーを集めたのがきっかけだそうですが、なぜ女性バンドを組みたいと思ったんですか?
Ayasa これまで個人でいろいろと活動をさせていただいてきたなかで、同じミュージシャンでも男性と女性で仕事をしていく上での悩みとかが全然違うなと思っていて。たとえば、ライフステージに合わせた活動の仕方なんかも違うんですよね。なので、10代で組むバンドではないからこそ、長い目で見て、様々なライフステージをみんなで一緒に歩んでいけたらという思いも含めて、女性と組むのがいいんじゃないかと思ったんです。

―最初にメンバーに声をかけるときは、プロジェクトとして、みたいな話し方をしていたそうですけど、Ayasaさんの本心としてはパーマネントなバンドを目指したかったんですね。
Ayasa 短期的ではなく、ちゃんと長くやっていけるような。どれくらいの濃さでやっていくかとか、未確定な部分はもちろんいっぱいあったんですけど、長く一緒にやっていけそうな人がいいなと思っていました。

―それは、バンドというものに対する憧れがそう思わせたんでしょうか。

Ayasa それはありましたね。特に、バイオリンって正規のメンバーとしてバンドに入れてもらえないことが多いし、バイオリンがいらっしゃる国内の先輩方のバンドは圧倒的に男女混合が多くて。なので、すごく憧れがありました。

―どうやって現在のメンバーにアプローチしたんですか。

Ayasa MIZUKI(Dr)さんとYuki(Gt)さんは過去にお仕事をご一緒させていただいたり、色々とご縁があったんですけど、ボーカリストさんはどなたがいいのかなかなか決まらなくて。そんなときにあかね(湊あかね:Vo)氏をご紹介いただいたんです。MINA(Ba)ちゃんもお仕事でご一緒したことはなかったんですけど、SNSが常に話題で、動画もいっぱい見させていただいてましたし、去年新たにベーシストの方を見つけなければならなくなったときに、最初に思い浮かんだのがMINAちゃんだったんです。East Of Edenというバンドはメンバー1人でも活動できることが一番のテーマなので、一人で認知度を着実に高めていて、昔バンドをやっていたこともあるMINAちゃんがいいなって勝手に思ってて。私はMINAちゃんと面識はなかったんですけど、他のメンバーが彼女と偶然会う機会があって、それをきっかけにお話が進んで加入する運びになりました。

―MINAさんは最初に声がかかったとき、どう思いましたか。

MINA 私が以前やってたバンドは14、5歳で始めてけっこう長く続いて、私はそのバンドのことをすごく大切に思っていたんです。だから、そのバンドが解散したあとは他のバンドをはじめるという選択肢はなかったんですよ。

―ああ、その気持ちはなんとなくわかります。

MINA でも、Ayasaさんからお話をいただいたり、いろんな巡り合わせがあって、MIZUKIさんとばったり会ったんですよ。そのときに、「あ、MINAちゃん! 待ってるよ!」って言われて(笑)。

MIZUKI  ちょうどMINAちゃんからお返事を待ってるタイミングで、ミュージシャンの飲み会みたいな場所でたまたま会ったんですよ。そのときに、「なんか質問ある? 心配なことある?」ってめっちゃ喋って。私もMINAちゃんに入ってほしいと思ってたから、最後に「待ってるよ! またね!」って(笑)。

MINA さっきお話したような理由もあって本当に迷ってたところに、明るい太陽みたいな笑顔で「待ってるよ!」って言われたのがアニメみたいというか、運命的なものを感じて。その後、Ayasaさんとたまたまお仕事でご一緒することがあって、そこでお仕事してる姿を見て素敵な人だなと思ったり、いろんなことが合わさって加入の決断をしました。本当に、「ぼっち・ざ・ろっく!」みたいだなって(笑)。

―あはは! 実際、バンドに加入してみて、East Of Edenってどんなバンドですか?

MINA みなさん実力があるのはもちろんなんですけど、すごく楽しいバンドです。リハもすごく楽しいし、みなさんめっちゃ優しくしてくれるし。あと、楽屋での話がめっちゃおもろいんですよ。ずっと盛り上がってて、そのままラジオで流せそうなくらい(笑)。でも、それが一番だと思うんですよ。音楽って楽しんでやるものだし、みなさんこれまでソロでやってきた経験があるからこそ、常にいい雰囲気を作ろうと心がけていて、それによってバンドがもっとよくなるんですよ。技術面はみなさん本当にプロだし、そこは本当に尊敬しているんですけど、人柄は楽しいお姉さんたちなんですよね。

―今年の夏で結成2周年になりますが、最初に思い描いていたものと比べてどうですか。
Ayasa このバンドはスタートが他のバンドとはちょっと違うというか、普通は小さなライブハウスから場数を踏んでいって……となるところを、みんなある程度キャリアがあって、メンバーそれぞれに既存のファンの方がいらっしゃったこともあって、Zepp DiverCityという普通ではできないファーストライブをやらせていただいたんです。そういうこともあって、そこから目に見えて上にあがっていくことが普通よりも難しくて。でも、だからこそやりがいがあるというか。Zepp DiverCityで初ライブをやったからこそ、もっと大きなステージを目指していかなきゃいけない。あとは、普通のバンドが最初にやるような小さなライブハウスをちゃんと回ってみたいという思いも湧いてきています。

―でも、場所こそ同じですけど、3月からはじまるツアーの東京会場がZepp DiverCity2デイズってめちゃめちゃすごいですよ。

Ayasa そうですね! でも、東京以外はまだ名古屋と大阪しか行けてなかったりするので、もっと頑張らないといけないと思ってます。

―MINAさん以外のお3方は、これまでの活動を振り返ってみてどうですか?

Yuki 最初はけっこうタイトなスケジュールだったこともあって、目の前のことをこなすのでいっぱいいっぱいでした。ファーストライブから大きい会場でやれたり、ありがたいことにドラマの主題歌をやらせていただいたり。でも、お客さんの幅を広げていく難しさを感じてるところはありますね。もちろん、フェスに出させていただいたりして、徐々にステップアップできている実感はありますけど。湊あかね 私たちはこれまでワンマンしかやってないバンドなんで、たしかに新しい方へ向けた活動がこの1年半はあまりできてなかったという反省はあります。なので、今年はちょっとでも新しい人たちにアプローチできるようにしていきたいですね。

MIZUKI 結成1年半でZepp DiverCity2デイズというのは着実に大きくなってると実感はしているんですけど、何よりもスケジュールが詰まりすぎて、私も目の前のことを頑張ってた感じが強いですね(笑)。でも、今年は夏フェスとかにも出させていただけるかもしれないし、フェスっていわば大きな対バンじゃないですか。そこで頑張って自分たちのお客さんを増やしたいです。

―今のお話を聞いた限り、何か未来予想図みたいなものを描いていたというよりも、毎日必死に自分たちのやるべきことをこなしてきたという感じなんですね。

MIZUKI なんせ曲が難しくて! すごくカッコいいのでやりがいあって楽しいんですけど。

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