長寿ドラマ『ドクター・フー』のショーランナーとして知られるラッセル・T・デイヴィースが、一度去った同作に再び戻ってきた理由について話した。英Radio Timesが伝えている。
ディズニーの重役に対抗できる存在として
英BBCで1963年に誕生して以来、英国のみならず世界中で熱狂的な人気を誇る『ドクター・フー』は、1989年に一旦終了したが、2005年にデイヴィースの手によって再開。クリストファー・エクルストン、デヴィッド・テナント演じる9・10代目ドクターの物語を描いたデイヴィースは2010年に同作から離れるも、2023年の60周年スペシャルでショーランナーとして復帰した。現在、ンクーティ・ガトワ演じる15代目ドクターを主人公にしたシーズン15のリリースが控えている。
ポッドキャスト番組で元ドクターのデヴィッドと対談したデイヴィースは、自身が復帰を決断する前から『ドクター・フー』のDisney+移行についての議論が進んでいたと認めた。「BBCから配信へ移行する話がすでに上がっていたんだ。僕自身、作品が守られるべきだっていうような考えもあったし、彼らは僕に腹を割って話してくれて“1000人の重役にも対応できるようなプロデューサーが必要だ”とも言っていた。それが実際の状況だよ」と打ち明け、Disney+との契約が復帰を決めた理由の一つだと説明している。
BBCが同作を存続させるためにストリーミングサービスからの資金が必要だと感じた理由について尋ねられたデイヴィースは「それが彼らの望んでいたこと」とコメント。「僕たちの住む世界がそういうものだからっていうだけじゃない。(BBCの元ドラマ部門責任者の)ピアーズ・ウェンガーは、本当にこの予算が必要だと思っていたんだ。『ストレンジャー・シングス』、『スター・ウォーズ』やマーベルのドラマを見て、“『ドクター・フー』はあんな風に見えなければいけない。そうあるべきだ”って考えていた」
このポッドキャスト番組の中では、デイヴィースの復帰が予想外だったという話も。「3度目(の復帰)はない」と冗談を言うデイヴィースに対し、デヴィッドは「2度目もあるとは思わなかった」とからかっていた。
となると気になるのは、今のデイヴィースから誰がショーランナーのバトンを受け継ぐことになるのか。「私は年を取ってきているからね。いつかはペースを落とさないといけない。その日が来ると思うよ」と言うデイヴィースは現在61歳。「そのことについて考えたり、話し合ったりはしているけど、難しいんだ。一筋縄ではいかない問題だよ。でも、後任がちゃんといるべきだと思う…想像してみてよ、私が机の前で死んでいるなんて。そんなありきたりな感じで死ぬなんて、耐えられない!」とも語り、次のショーランナーについて話し合いが行われていることを明かした。2005年によみがえって以降の『ドクター・フー』で同職を務めたのは、デイヴィースとスティーヴン・モファット(『SHERLOCK/シャーロック』)、クリス・チブナル(『ブロードチャーチ ~殺意の町~』)の3人だけだ。
『ドクター・フー』シーズン1~13はHuluにて配信中。デイヴィースが2度目のショーランナーを務めるシーズン14はDisney+にて独占配信している。(海外ドラマNAVI)