音楽家・伊達伯欣（だて・ともよし）によるコンピレーションアルバムシリーズ「Micro Ambient Music」の最終編となるVol. 6がこのたびリリースされた。これにより、全6集・国内外のアーティスト総勢42名による、約4時間にも及ぶ追悼的アンビエント音楽の集大成が完成したことになる。
本シリーズは、2023年3月に逝去した世界的音楽家・坂本龍一へのオマージュとして企画されたもので、生前に坂本と直接・間接に関わりのあったアーティストたちが集結。それぞれの視点から、“音による静けさ”というテーマを元に作品を提供している。
特徴的なのは、単なる追悼企画やトリビュートとは異なり、坂本龍一が晩年に強く傾倒していた「音と沈黙の共存」「環境音やノイズを含めた音楽の可能性」といった視点が、各アーティストの解釈で繊細に再構築されている点だ。ピアノやシンセサイザーといった楽器の音だけでなく、風の音や水音、機械の駆動音のような“非楽器音”が多く取り入れられており、リスナーの耳と空間の感覚をやさしく揺さぶる。
シリーズは2023年より段階的にリリースされてきたが、早くもドイツ音楽評論家賞（Deutscher Schallplattenkritik）のElectronic & Experimental部門を受賞するなど、国内外から高い評価を受けている。アートワークにも独自性があり、それぞれの集がひとつの“環境”として機能するよう設計されているのも魅力のひとつだ。
「音楽とは時間の芸術である」
その時間を追体験するように、静かに耳を澄ませることが、今、求められているのかもしれない。
『Tribute to Ryuichi Sakamoto “Micro Ambient Music” Vol. 6』
RZJM-77986 ¥4,950 taxin
Side A
01. Nobuto Suda / A memorial piece for Ryuichi Sakamoto
02. Ian Hawgood / Morning / Evening Context
03. The Factors / 0601am Rain Forest
Side B
04. Stephan Mathieu / Peace Piece
05. Corey Fuller / March 28th 2023, morninｇ
配信
https://commmons.lnk.to/microambientvol.6
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