時代によってドラマのヒロインの描かれ方というのは様変わりします。最近、最も「令和だな〜」と感じさせてくれたのが、『ホットスポット』(日本テレビ系)の遠藤清美(市川実日子)でしょうか。バカリズムによる前作『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)同様、メインとなるのは女友達との気のおけないトーク。そこに、いわゆるマウントはありません。

清美はバツイチのシングルマザー。女友達の中には既婚子アリもいれば、未婚もいる。だけど、そんな属性に拘泥している様子はゼロ。ついでに言うと、惚れた腫れたの恋愛要素もゼロ。そんな女の友情観が新しくて、多くの人がバカリズムの描く平凡な日常に笑いと安らぎを見出したのでした。

 

 


もちろん僕もその一人。もっとこんなフラットな友情の形をドラマには描いてほしいと思うし、実際ここ数年で恋愛要素のない作品やシスターフッドを題材とした作品は随分増えてきました。けれど、人間というのは我儘で欲深い生き物です。さっぱりしたヘルシー料理に慣れてくると、ついもっとこってりしたものが食べたくなる。

だって、バカリズムの描くヒロインほど、人ってさっぱり生きられるかというと、なかなか難しい話。僕は男性ですが、それでも既婚/未婚や子アリ/子ナシの境界線は厳然と存在していることを感じるし、ままならない想いに押し潰されそうになる夜も、まるで風邪みたいに年に何度かやってくる。

できれば清美のように、買い物の途中で家にドレッシングのストックがあるかどうかで悶々としながらも、人生の選択に関しては「まあ、なんとかなるっしょ」くらいのゆるさで臨みたい。そう願う反面、自分と同じようにあらゆる局面でジタバタもがいているヒロインが恋しくなるのです。

だから、彼女にまた会えるのがすごくうれしい。彼女の名前は、吉野千明(小泉今日子)。11年ぶりの復活となる『続・続・最後から二番目の恋』のヒロインです。

2025春ドラ大本命『続・続・最後から二番目の恋』“イタさ”も自分と認めて生きる、ヒロイン・千明(小泉今日子)がどうしようもなく愛おしい!_img0

『続・続・最後から二番目の恋』 フジテレビ系・毎週月曜21時〜。4月14日(月)より放送スタート。

 

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