会見を開き、フジ・メディア・ホールディングスの改革に向けた事業構想について語るSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長(写真:共同通信社)

新年度に入っても大手スポンサーは背を向けたまま

 中居正広氏の女性アナウンサーに対する性的暴力に端を発したトラブルは、フジテレビのガバナンス問題に発展。親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)をも巻き込んだ大騒動となっている。

 トラブルが発覚したのは昨年末。その後、フジテレビは今年1月17日に記者会見を行うが、動画不可の極めて限定的な会見だったため、火に油を注ぐ結果となり、広告スポンサーが一斉に放映を拒否する事態となった。

 これを受けてFMHおよびフジテレビは1月27日に10時間にわたる会見を開くとともに、港浩一・フジテレビ社長の辞任を発表する。しかしそれではスポンサー離れは収まらなかった。

フジテレビ社長を辞任した港浩一氏(写真:共同通信社)

 この段階ですでにフジテレビは第三者委員会の設置を発表しており、その結果を待つというのがスポンサーのスタンスだった。

 3月27日、FMHおよびフジテレビは社外取締役を含む経営陣の大幅刷新を発表。そして3月31日に第三者委員会が調査結果を発表する。その内容は、中居正広氏の行為が業務の延長線上にある性暴力であったこと、その後のフジテレビの対応により二次被害が発生したこと。さらにはその背景にフジテレビの企業風土があったとし、その企業風土に、日枝久・フジサンケイグループ代表の存在が大きく影響していると指摘した。

 フジテレビにしてみれば、第三者委員会の発表を年度末までに終え、新たな気持ちで4月1日を迎えたいとの思いがあったのだろう。しかし新年度に入っても、流れるCMは番組宣伝やACばかり。たまに美容整形やベンチャー企業のCMも入るが、大手スポンサーは背を向けたままだ。多くのスポンサーは、第三者委員会の忌憚のない指摘を評価しつつも、果たしてフジテレビが本当に生まれ変わるか、見守っている。

 これがFMHおよびフジテレビを巡るここ5カ月間の動きだが、ここにきて新たな動きがあった。

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