電子書籍を読むにあたり、スマホでは画面サイズが物足りないとなった時、まず候補に上がるのは8型クラスの小型タブレットというのがこれまでの定番だった。近年、ここにもうひとつの選択肢として浮上してきたのが、俗にフォルダブルスマホと呼ばれる、折りたたみ式のスマートフォンだ。
これらは画面サイズはスマホ2画面分で、持ち歩く場合は半分のサイズに折りたためるので、表示はスマホよりも余裕があり、かつ8型クラスの小型タブレットよりも持ち歩きやすいときている。まだまだ高価とはいえ、興味をそそる選択肢であることは間違いない。
こうしたフォルダブルスマホのうち、Googleの「Pixel Fold」シリーズと並んで国内でも知名度が高いのが、サムスンの「Galaxy Fold」シリーズだ。今回はその現行モデル「Galaxy Z Fold6」を、8型タブレットの代表格である「iPad mini」と比べつつ、電子書籍ユースでのメリットとデメリットを見ていこう。
なお、画質比較のサンプルには、『Kindle Unlimited』で配信されている、森田 崇/モーリス・ルブラン著『怪盗ルパン伝アバンチュリエ 第1巻』を、許諾を得て使用。また、テキストは夏目漱石著『坊っちゃん』をサンプルとして使用している。
以上のように、機能面は文句なしだが、画面サイズに関してはスマホよりは大きいとはいえ、見開きでのページサイズもかなり小さく、トータルでは8型サイズのタブレットのほうがはるかに上、というのが正直なところだ。少なくとも最適解にはなり得ないだろう。
もともとフォルダブルスマホが欲しい、あるいはすでに所有しているのであれば、電子書籍アプリはぜひ試してみたいところだが、スマホ以上の画面サイズで見開き表示したいという目的が先にあり、そこでニーズに合ったデバイスをこれから探す段階であれば、他の選択肢もあるだろうというのが率直な感想だ。
ただ、フォルダブルスマホは、今後世代を重ねることでさらに安くなっていくだろうし、噂されるAppleが新製品を投入してくれば、情勢はガラリと変わる可能性もある。また現時点でも、新製品に限らず型落ちの中古まで視野に入れれば、予算は半額程度で済む場合もある。可搬性の高さや軽さは8型タブレットよりも圧倒的に上なので、そうした観点も踏まえつつ、自分にとっての最適解を探してみてほしい。
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