【詩題】ぼくの退屈/花瀬三

記憶の中で、
夜明けに一番近い、
美しい島へ
あなたの名前を付けて、
祈りと抵抗の詩を
口ずさんでいる。
くちびるの隙間から
溢れたぬくもりで
蝶が、空を泳ぐので、
命のことを思い出す。
そうしてひとつ、
あした
死んでしまわないための
言葉ひとつを
胸にとんと畳んで、
花を束ね、
ぼくは、
失ったものを数えてゆく。

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