◆処暑(しょしょ)
暑さが峠を越えて後退し始める頃
新暦8月23日~9月6日頃

野分 ~処暑の自然~
立秋が過ぎ、猛暑が一段落すると、台風がやってきます。
「台風」という言葉は明治以降に使われ始めた言葉で、それまでは「野分(のわき)」と呼ばれていました。野の草を分けるほど強い風、という意味です。『枕草子』には、
<野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ>
と、台風一過の清々しい様子が記されています。野分が去ると、「風見舞い」といって、人々は親しい人の安否を気遣い、家を訪問しました。
日本には数々の「見舞う」風習がありますが、人生にも嵐が吹くことを知っていたからこそ、励まし、慰め合って生きていたのかもしれません。

地蔵盆 ~処暑の暮らし~
京都では、8月23日、24日に「地蔵盆」が行われます。
地蔵菩薩は地獄の鬼から子どもを救うと信じられ、平安時代より信仰されました。疫病や戦乱で多くの子どもが亡くなった京都では、特に篤く信仰され、京都市内だけでも5千体以上の地蔵菩薩があるといわれます。地蔵盆になると、祠から地蔵菩薩を出し、洗い清めて化粧をし、新しい前垂れをかけるのが習わしです。
会場では、赤ちゃんの名前が入った提灯が吊るされ、主役である子どもたちのために、ゲームや盆踊り、景品がもらえる「畚(ふご)おろし」など、様々な催しが繰り広げられます。

Present by 京福電気鉄道(株)(制作2010年8月)

前の節気-立秋 http://youtu.be/JNLw_uJTZpM
次の節気-白露 http://youtu.be/U6ybJnMBTLw

YouTubeチャンネル「NipponArchives」
https://www.youtube.com/NipponArchives2013

1 Comment

  1. 処暑
    陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也。
    ようやく暑さが収まるころ、秋の嵐が吹き荒れます。
    昔、台風は「野分」と呼ばれました。
    野の草を分けるような強い風。
    野分が去ると、「風見舞い」といって、親しい人の安否を気遣い、訪問したそうです。
    互いに慰め、励まし合って、人生の嵐を切り抜けていたのかもしれませんね。
    京都には古くから子どものためのお盆があります。
    「地蔵盆」、地蔵菩薩は地獄の鬼から子どもを救うと信じられてきました。
    各町内にお地蔵様を祀る祠があり、その数は5千にものぼるといわれます。
    都をあげて、小さな命を大切に守り続けてきたんですね。
    空気が澄んだ秋の朝、草花に光の滴が宿ります。
    京都には二十四の季節があります。