「使用済み核燃料」をめぐり関西電力が示した“運び出し”の方針。福井県はどのように受け止めているのでしょうか。

 (福井県 杉本達治知事 6月21日)
 「原子力の課題というのは非常に判断が難しい。県民の皆さんがどうお考えなのかを最終的には自分自身で考えて判断していく」

 使用済み核燃料をめぐる関電の対応について、福井県の杉本達治知事は6月21日午前、「判断が難しい」と話しました。

 関電が福井県内で抱える高浜・大飯・美浜原発では、使用済み燃料プールがあと5年から7年のうちに満杯となる予定で、関電は今年の年末までに使用済み核燃料を搬出する『県外の候補地』を提示すると県に約束していました。しかし難航を極めます。

 一時は東京電力などが出資して青森県むつ市に整備されている中間貯蔵施設に搬出するプランも浮上しましたが、むつ市側が猛反発して頓挫。

 (青森県むつ市 宮下宗一郎市長(当時) 2021年)
 「自分たちの都合を優先して、むつ市民とか、それと同義の青森県民、この民意をないがしろにしておろそかにして踏みにじっている。考えられない」

 こうしているうちに自ら定めた期限まで残された時間は約半年。崖っぷちに追い込まれた関電は6月12日、森望社長が福井県庁を電撃訪問して、ある方針を示しました。それが『海外への搬出』。大手電力会社らと共同で行う核燃料サイクルの実証研究のため、高浜原発の使用済み核燃料の一部である約200トンを2020年代の後半にフランスへ搬出するというのです。

 (関西電力 森望社長 6月12日)
 「これは弊社の原子力発電所に貯蔵されている使用済み燃料が、福井県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がございます。福井県とのお約束はひとまず果たされたと考えております」

 関電側は、フランスは福井県外で、県外搬出する約束は果たされたと宣言したのです。ただ、今回搬出が決まった使用済み核燃料は、県内3つの原発で保管している量のたった6%にすぎません。しかも現時点で搬出が決まっているのはこの1回きりのため、問題の根本的解決とは到底言い難いのです。

 今回の関電の対応について福井県民からは次のような声が聞かれました。

 (福井県民)
 「(Q問題は解決?)全然なっていません。ゼロと同じです。一部分を持っていっても、持っていったうちに入らないし。よそに迷惑かけても所詮同じでしょ」
 「皆がうちの県で受け入れていいよというのはなかなか難しいかな。受け入れ先があって研究的に使うというなら、それはそれでいいかなとは思います」

 電力の恩恵。その裏で起きている問題に真剣に向き合う時が来ています。

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5 Comments

  1. 福井の電力の為に使ったんだから福井に埋め立てろや
    東京で使った電力分は東京に埋めろ
    そうなってはじめて原子力の是非の議論が成り立つ