1日、カトリック教会のローマ教皇フランシスコ(86)が、モンゴルを初めて訪問した。カトリック教会の信者が人口の0.04%と、世界的に少ないモンゴルへの訪問の背景には、中国への接近が目的だという見方もでてきているようだ。

■モンゴルは…「歓迎ムード」一色に

 ローマ教皇:「この驚くべき広大な土地。そして、旅とは何かということの意味と重要性を十分に認識している人々のもとへ旅ができたことを幸せに思います」

 1日、カトリック教会のローマ教皇フランシスコがモンゴルを初めて訪問した。モンゴルの街では、至る所にローマ教皇のポスターが貼られ、歓迎ムード一色になった。

 モンゴルのカトリック教徒:「ローマ教皇がモンゴルに来るのは素晴らしいことです」

 一方で、こんな声も上がっている。

 モンゴル カトリック教会の助祭:「信者にとって、ローマ教皇の訪問はとても幸せなことです。しかし、モンゴルではまだカトリックという宗教は理解されていません」

 人口がおよそ330万人のモンゴルでは、仏教徒が大半をしめる。カトリック教徒はおよそ1450人、人口の0.04%だという。

 今年に入り、2度入院したローマ教皇。退院後の先月には、カトリック教徒が人口の大半を占めるポルトガルを訪問。そして今月に入って、信者が少ないモンゴルへの訪問となった。

■予定にない行動…中国への“メッセージ”?

 なぜ、ローマ教皇は信者の少ないモンゴルを訪問したのか。モンゴル情勢に詳しい多摩大学のバートル教授は、次のように話す。

 バートル教授:「モンゴルを一つの切り口として、アジアに信者を増やしたい。小さいながらも非常に活力があって、しかも宗教に関して非常に寛容的で平和も重んじる国」

 バチカンの通信社によると、ヨーロッパでの信者が減少傾向となっている一方、アジアでは増加傾向にあるという。

 そして、3日に行われたミサの終わりに、ローマ教皇は当初予定になかった行動をとった。

 香港の前司教と現在の司教を両隣に立たせて、こう発言した。

 ローマ教皇:「彼らの出席を機に、中国の高貴な人々にメッセージを送りたい。中国のカトリック教徒の皆さんには、良き教徒、良き市民であるようお願いします」

 これは、バチカンと国交のない中国へのメッセージとみられている。

 バートル教授「モンゴルは中立国ですから、少なくとも中国との経済関係とか外交政治関係からすると、モンゴル側からローマ教皇の意向を中国政府に伝えることは、十分可能じゃないかなと思う」

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年9月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

5 Comments

  1. モンゴルは古くはネストリウス派ではあるけど、キリスト教が盛んだったのもあるのかな。その過去から広まる下地があると見てるのかな。