津波で流されたデータを復旧 能登「記憶の復元」写真展(2024年8月21日)

 能登半島地震の前から能登の姿を収め続けた写真家のデータが津波で家を流されて水没しました。そのデータの復旧に成功し「記憶の復元」として21日から展示が始まりました。

 展示されている写真は震災で大きな被害を受けた石川県珠洲市出身の写真家・松田咲香さんが撮影したものです。

写真家 松田咲香さん
「一瞬一瞬が本当にかけがえのないものなので、そういったものが、また見られるようになったことがありがたいなと。どんどん風化されていくと思っているので、そのなかでもずっと忘れないでほしいなと思っています。被災地として腫れ物として扱われるんじゃなくて、もっと能登に来られるきっかけになればと思う」

珠洲市出身の男性
「全部見慣れた風景ですよね。全くなかったですよね。本当にこれを見て懐かしく思いますよね」

松田さんの姉 菊池紀代さん
「涙が出そうになるというか、切ない気持ちになりました。風景がなくなるというのは、絶対に戻らないものだから、写真を見て思い出して自分が生きてきたんだな、そこにいたんだなと感じる場所なのかな」

 松田さんは震災前からおよそ10年間、能登の姿を写真に収め続けていましたが、津波で写真を保存していたハードディスクが流されてしまいました。

 専門の業者がおよそ6万点のデータを無償で復旧させました。

デジタルデータソリューション データ復旧エンジニア
「機器解体してハードディスクの内部は水分や泥も入っている状態でした。全体の6割程度が復旧できたのでうれしく思います」

 震災前の美しい風景や能登の魅力を分かち合いたいという思いで実現したこの写真展は23日まで開かれています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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