米国の企業活動は11月に拡大。トランプ次期米政権の政策期待で需要見通しが改善し、2022年4月以来の高水準となった。S&Pグローバルが購買担当者指数(PMI)速報値を公表した。
キーポイント11月の米総合PMIは55.3に上昇前月は54.1エコノミスト予想の中央値は54.3製造業PMIは48.8(前月48.5)サービス業PMIは57.0(前月55.0)同指数は50を上回ると活動拡大、下回ると活動縮小を示す
サービス業の活動拡大が上昇の原動力となった一方、製造業では向こう1年の生産見通しを示す指数が22年4月以来の楽観を示した。
Stronger Growth in US Business Activity
Gauge advances to highest level since April 2022 after Trump victory
Source: S&P Global
総合PMIで将来の生産を示す指数は1.6ポイント上昇し、22年5月以来の高水準。10月も6.4ポイント上昇していた。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「金利低下見通しに加えて、次期政権によるビジネス志向のアプローチが期待され、楽観を高めている。それが生産拡大を促し、受注増加につながっている」と発表資料で述べた。
価格に関する指数は低下した。総合PMIでの販売価格指数は11月に50.8に低下。約4年ぶりの低水準となった。サービス業の販売価格指数は20年5月以来の低い水準で、米経済の最大部分であるサービス業で価格がほとんど上昇していないことをあらわにした。
ウィリアムソン氏は投入コストの伸びがさらに減速したことと併せ、連邦準備制度理事会(FRB)には朗報だと指摘する。「消費者インフレが2%目標を大きく下回って推移している」ことが示されたと述べた。
製造業の活動指数は5カ月連続で縮小領域となった一方、サービス業は22年3月以来の高水準に改善。
「経済成長がサービス業に引き続き強く依存していることが懸念される。製造業の生産指数は低下ペースが加速している」とウィリアムソン氏は指摘。「しかし保護主義的政策の強化と関税措置への期待が、製造業セクターの信頼感上昇に寄与している」と述べた。
調査は11月12日から21日にかけて実施された。
原題:US Business Activity Expands Most Since 2022, Confidence Builds(抜粋)
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