トランプ次期米大統領は27日、メキシコのシェインバウム大統領との電話会談で「素晴らしい会話」を行い、シェインバウム氏がメキシコからアメリカへの移民を止めることに同意したと、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
トランプ氏の投稿を受け、メキシコ・ペソは対ドルで一時1%高の1ドル=20.38ペソとなり、今週に入ってからの下げ幅を一部縮小した。ただ、シェインバウム氏によるその後のX(旧ツイッター)への投稿では、移民など主要問題へのアプローチで両者の間に引き続き相違があることが示唆された。
トランプ氏は投稿でシェインバウム氏について、「彼女はメキシコを経由して米国に流入する移民を止め、米国の南部国境を事実上閉鎖することに同意した」と指摘。「米国への大量の麻薬流入を止めるために何ができるか、そしてこれらの麻薬の米国での消費についても話し合った」とコメントした。
その約1時間後、シェインバウム氏は電話会談について 「メキシコの立場は国境を閉鎖することではなく、政府・国民の間に橋を架けることだ 」とトランプ氏に話したと投稿。シェインバウム氏はまた、移民対策でメキシコがこれまで講じてきた戦略のほか、「移民やキャラバンが国境に到達する前に対処する 」ことや 「人権尊重 」を説明したとしている。
こうした為替動向は、トレーダーがトランプ氏の投稿から予想する相場変動の最新の兆候と言えそうだ。トランプ氏は25日、麻薬などの違法薬物などの流入を理由に、中国への10%の追加関税のほか、メキシコ、カナダ両国への25%の関税賦課の方針を表明し、メキシコ・ペソが2年強ぶりの安値を付けたほか、カナダ・ドルとオフショア人民元も下落していた。
GAMAアセット・マネジメントのグローバルマクロ担当ポートフォリオマネジャー、ラジーブ・デメロ氏は「メキシコ・ペソの反発は一時的なもので、さらなる変動と軟調が予想される」と指摘。米国時間夜の政策ツイートはトランプ政権1期目を思い起こさせるとし、メキシコ資産は大きな圧力を受けるだろうとの予想を示した。
米大統領選でのトランプ氏の勝利を受け、メキシコ・ペソの1カ月物のインプライド・ボラティリティー(IV、予想変動率)は2020年以来の高水準に急上昇していた。
トランプ、シェインバウム両氏の投稿のトーンの違いは、当局者が共通の土台を見いだすための今後の課題を浮き彫りにしている。トランプ氏が関税を課すと脅した後、シェインバウム氏はメキシコによる麻薬取り締まりの成果についてトランプ氏に書簡を送り、米国製品への関税賦課で報復する可能性を示唆していた。
原題:Trump Sparks Peso Whiplash With Post on ‘Wonderful’ Mexico Talk、Trump Says Conversation with Mexican President ‘Productive’、Mexican Peso Strengthens After Trump Discussion With Sheinbaum(抜粋)
(市場参加者のコメントなどを追加して更新します)
これはブルームバーグ・オートメーションを利用して作成した記事です。
WACOCA: People, Life, Style.