マイクロソフトは11月19日、『Microsoft Flight Simulator 2024』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S。Game Pass加入者向けにも提供されている。本作はリリース間もなくサーバー関連の問題による読み込み時間の問題などが相次いで報告されていたものの、現在では“ほぼ100%”の信頼性で動作しているとのことだ。

『Microsoft Flight Simulator 2024』は、フライトシム『Microsoft Flight Simulator』シリーズの最新作だ。本作は、マイクロソフトのクラウドサービスAzureやAzure AI、Bing Mapsと連携し、地球上の環境のリアルな3Dモデルがゲーム内に生成されることが特徴。ゲームプレイでは、単に飛行機を操縦するだけにとどまらず、VIP客のチャーター機や、商業飛行、捜索救難、空中からの消火活動、エアレース要素といった航空業界でのキャリアを楽しめる。さらには飛行機から降りて、自由に歩いて回ることも可能だ。

そんな本作については、リリース当時に読み込み時間が長すぎるという報告や、ログイン待ちの待機時間が長く、プレイしようとしてもできないという声がSNS上で相次いだ。開発元によれば、本作ではログイン時やさまざまなミッションやキャリアモードにおいてサーバーがデータ要求をおこなうのだが、その読み込みが一向に進まず、ゲームがまともにプレイできない、あるいはログインできないといった報告が多数上がっていた格好だ。

この事態に対して、開発元であるAsobo StudioのCEOを務めるSebastian Wloch氏によれば、開発元の想定を超える数のユーザーのアクセスがあり、サーバーが過負荷になったことで遅延やエラーが発生したという。結果として長時間にわたるログイン待機時間や読み込み時間の問題が発生していたとして、改善に取り組んでいた(関連記事)。このサーバー問題によって発売当初はユーザーから多くの不満を呼び、Steamユーザーレビューでも一時「圧倒的に不評」の評価となってしまっていた。ちなみに11月21日には公式サポートでログイン問題が解消したことを発表していた。

そんな本作に向けて、現地時間11月27日に開発状況を伝える公式ブログ記事が発表されている。記事によると、本作のサーバーおよび関連オンライン サービスは現在、99.999% を超える信頼性を発揮し、期待どおりに動作しているとのこと。現在は安定してサーバーが稼働しているようで、接続問題に悩まされることもなくプレイできるだろう。

開発チームの対応でサーバーが安定したこともあってか、Steamユーザーレビューの評価も持ち直し、本稿執筆時点では約6800件中41%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。直近のレビュー内容では、サーバー問題はある程度解消されたとユーザーからも評価が寄せられている。一方で、バグの多さやクラッシュの多さにふれ、まだパフォーマンス面に課題が残るとする声はまだ見受けられる。

本作の今後のアップデートの予定としては、12月2日の週にさらなる安定性の改善を含むパッチを配布するという。そして12月9日には別の大規模なパッチを配布予定であるとのこと。このパッチにはユーザーが自分でマーケットプレイスのコンテンツを無効/有効にする機能や、クラッシュが発生した場合にサードパーティのコンテンツを無効にするセーフブートオプションが追加されるという。なお本作で発生している既知の不具合についても、サポートページで事象と回避策が公開されている。

人気シリーズの最新作というのもあり、開発元の想定を超えたユーザーのアクセスが殺到するかたちで波乱のスタートを迎えた本作。開発元はサーバー問題がある程度解消されつつも、アップデートを通して、引き続き安定性とパフォーマンスの改善に取り組んでいく姿勢を明らかとしたかたちだ。今後の発表と動向には注目したいところ。

『Microsoft Flight Simulator 2024』はPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに配信中。なおGame Passに対応し、コンソール、PC、クラウドでの利用が可能となっている。

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