8歳児死亡の猪苗代湖ボート事故で“逆転無罪”一審は操縦の被告に禁錮2年の実刑判決も「安全確認に落ち度はない」

4年前、福島県の猪苗代湖で3人が死傷したボート事故の控訴審で逆転無罪判決です。

4年前、当時8歳の豊田瑛大くんは、家族と訪れていた猪苗代湖で航行するボートに巻き込まれ亡くなりました。

ボートを操縦し、瑛大くんを死亡させ2人に大ケガをさせた罪に問われていた佐藤剛被告(47)に対し、一審は「適切な安全確認をしていれば、被害者を発見し、衝突は回避できた」として、禁錮2年の実刑判決を言い渡し、佐藤被告側が控訴していました。

2024年9月から始まった控訴審で弁護側は、当時の状況を再現した実験結果などを示し、「湖面で動いていない人が浮いていると予見することは困難」

「加速した船舶には死角ができるのも明らかで、被告の安全確認に落ち度はない」などと無罪を主張し、検察側は「過失があることは明らか」と、控訴の棄却を求めていました。

16日の判決で、仙台高等裁判所は「一審が認めた検察側の実況見分では弁護側が出した新証拠とされる実証実験のように、船舶の加速後の死角の発生が考慮されていない。前方左右を注視していたとしても被害者らを発見できたとは言えない」などと述べた上で、一審判決を破棄し、佐藤被告に無罪を言い渡しました。

吉野弦太弁護士:
裁判の事実認定に必要な最低限のルールに基づいて私たちは主張しておいて、それをその通り認めていただいたなと。

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