欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は16日、今後も利下げを続けていく考えを示した。ここ数年のインフレ加速は過去のものになりつつあり、目標値として掲げる2%への低下も視野に入っているとの見解を示した。

  ラガルド氏は講演で、「長期にわたる景気抑制的な政策」を経て、経済予測の精度が向上し、政策当局は過去のショックの影響を懸念することなく、将来のリスク管理に集中できるようになったと論じた。

  同氏は「まだ目標には達していないが、それに近づきつつある」と述べ、「今後入手するデータがわれわれの基本シナリオを裏付けるものであれば、方向性は明確であり、さらなる利下げを見込んでいる」と続けた。

ECB Cuts Inflation and Growth Forecasts

Source: ECB

  域内のインフレ率はピーク時から大幅に低下し、今年は一時2%を下回った。その後で再び上昇したが、ECBはある程度の変動を経てインフレが目標値で持続的に落ち着くと予測している。

  ラガルド氏は域内のインフレ率がなお高過ぎるが、サービス部門のインフレの勢いは「最近、大幅に後退した」との見方を示した。

  「これらのデータは、今後数カ月にサービスのインフレが下方向に調整され、ひいては域内インフレが下押しされる余地があることを示唆する」とラガルド氏は指摘。ECBの追跡調査でも賃金上昇率が来年は3%前後と、「目標とほぼ矛盾しないと見なす水準」に鈍化すると見込まれていると説明した。

  ECBは4回利下げしたが、それでも金利が引き続き経済活動を抑制しているとみる。当局者の大半は、政策金利を徐々に中立的な水準に移行できるとの見方を示す。短期金融市場では、来年半ばにもその水準に達する可能性があると想定されている。

  政策当局者は域内経済が低迷し、高い不確実性の中で家計や企業が支出をためらっているとの見方で一致する。ECBの最新予測によれば、来年の成長率は1.1%。世界各地の紛争やドナルド・トランプ氏の米大統領再選、さらに域内の政治的混乱を踏まえると、成長率はそれを下回る可能性もある。  

  ラガルド氏は、最近の経済活動の低迷の主な原因は、精彩を欠く域内の景気回復や個人消費の「著しい」停滞にあると述べた。

  高インフレが過去のものになりつつあることから家計の実質所得に対する悲観的な見方は解消されるはずだが、「地政学上の不確実さの高まりが、家計のセンチメントに新たな打撃を与える可能性がある」と警戒感を示した。  

原題:Lagarde Says ECB to Cut Further With Inflation Victory Near (2)(抜粋)

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