米連邦最高裁判所の判事は10日、中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を事実上禁止する新法について、支持する可能性が高いことを示唆した。

  新法は親会社である中国の字節跳動(バイトダンス)が1月19日の期限までにTikTokを売却しない限り、米国での利用を禁止するもの。最高裁は新法発効の緊急差し止めを求めるTikTok側の申し出を受けて、この日審理を行った。

  審理では、米国の国家安全保障上の懸念が、企業やコンテンツ制作者の言論の自由の利益を上回ると大半の判事がみていることが示唆された。複数の判事が、同法は言論ではなく、親会社であるバイトダンスに焦点を当てていると主張した。米議会はこれまで、バイトダンスが中国共産党政府と危険なほど密接なつながりがあるとの結論を下している。

  最高裁のロバーツ長官は「親会社が実際には中国政府のために諜報活動に従事しているであろう事実をわれわれは無視すべきなのだろうか」と問いかけた。

  またカバノー判事は「データ収集に限っても、米国の将来にとって大きな懸念事項であるように思える」と、TikTok側の弁護士に述べた。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、マシュー・シェッテンヘルム氏は今回の審理を受けて、TikTokが勝訴する確率を30%から20%に引き下げた。

原題:Supreme Court Signals It’s Likely to Uphold TikTok Ban in US (1)(抜粋)

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