「ダボス会議」に参加している国連の気候変動枠組条約のスティル事務局長は、気候変動に関するセッションの冒頭で、アメリカがパリ協定を離脱することについて問われ、「私たちは以前も同じような状況に直面した。ただ、扉は開かれたままだ。これが2つの重要なメッセージだ」と述べ、アメリカが再び協定に復帰する日を待ちたいという姿勢を示しました。

また、トランプ大統領が就任演説の中で「掘って、掘りまくれ」と述べるなど、化石燃料を増産する考えを強調したことを念頭に、「世界は止められないエネルギー転換の過程にある。去年だけでも2兆ドル以上が再生可能エネルギーへの転換に投資され、化石燃料への投資額と比べても見劣りしない。この重要なビジネスチャンスから一歩退けば、ほかの誰かが代わりに利益を得ることは明白だ」と述べ、アメリカの動きをけん制しました。

前回、アメリカが離脱した際には、ヨーロッパがアメリカに代わって気候変動の世界的な機運をけん引したとされていますが、近年のヨーロッパでは気候変動対策に後ろ向きな極右政党などが躍進するなか、リーダーシップの不在が懸念されています。

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