イランのザリフ副大統領(戦略担当)(写真)は22日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説し、トランプ米大統領がイランとの関係において「合理的行動」を選択することを期待していると述べた。同日撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ダボス(スイス) 22日 ロイター] – イランのザリフ副大統領(戦略担当)は22日、イランが核兵器の開発を目指しているとの見方を否定し、西側諸国との関係改善に向けた協議に前向きな姿勢を示した。
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、トランプ米大統領がイランとの関係において「合理的行動」を取ることを期待していると表明した。
「『トランプ2.0』がより真剣かつ焦点が絞られ、より現実的となることを期待する」と述べた。イランは世界に対し安全保障上の脅威を与えていないと強調した。
イランは外国からの脅威に直面してきたが、もはやイランは簡単に介入を許す国ではないと指摘し、「従って、われわれは脅威ではなく機会に基づいて前進することが可能だ。それについて話し合おう」と呼びかけた。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長はダボス会議で、イランとトランプ政権との対話が今どれほど重要かと問われ、「絶対的に不可欠だ」と強調した。「両者の対話なくしていかなる進展もない」と語った。
「トランプ氏や新政権のメンバーの発言から、対話を行い何らかの合意に向かう気運があることが読み取れる」とも述べた。
一方、国連のグテレス事務総長は、イランは核兵器開発を目指していないことを明確にすることで、中東諸国や米国との関係改善に向けた第1歩を踏み出さなければならないと訴えた。
グロッシ氏はイランのウラン濃縮について、以前は純度最大60%のウランを月間7キログラム程度生産していたが、現在は30キロを超えている可能性があると指摘した。
「これは明らかに生産加速の兆候だと思う。イランはアクセルを踏んでいる」と述べた。
ウランを濃縮するための遠心分離機を追加で設置し、稼働させるには時間がかかるが、加速は始まっているとし、「これから着実な増加が見られるだろう」と予測した。
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