東京マラソンも参加料値上げ 大会運営の厳しい現状 経済効果期待も参加者減少【ワイド!スクランブル】(2025年2月2日)

 およそ4万人のランナーが参加する「東京マラソン」。来年大会から参加料が値上げされることになった。マラソン大会運営を巡る地方自治体の厳しい現状とは?

■皇居ランナーからは? 「他の大会に…」「普通」

 およそ4万人が参加する東京マラソン。22日、東京マラソン財団は来年から参加料を値上げすることを発表した。

 国内参加者は、1万6500円から3300円値上げして1万9800円に。海外参加者はおよそ1万1000円の値上げとなる。

海外からの参加者
「貴重な体験をさせてもらいました。東京を駆け抜けるということで街を知るという、本来なかなか味わえないマラソンです」

 値上げの背景にあるのは、海外からの参加者が増加し多言語に対応できるスタッフの増員や、物価高騰に伴う運営費の上昇などだという。

 ちなみに海外の有名な大会の参加料を見てみると、4万人以上が参加するロンドンマラソンは日本円でおよそ2万8000円。5万人以上が参加するニューヨークシティマラソンは日本円でおよそ5万円となっている。

 東京マラソンの値上げについて、皇居ランナーに話を聞いた。

東京マラソン3回出場
「(Q.来年値上げしますが参加しますか?)エントリーはしますね」
「(Q.値上げしても参加する魅力は?)お祭りですからね。楽しみながら走れるマラソンだからじゃないですかね」

東京マラソン3回出場
「(Q.値上げしても参加しますか?)約2万円だすなら、他の大会走ろうかなって感じです」

 今年初めて東京マラソンに参加するという人はこのように話す。

東京マラソン今年初出場
「(Q.参加料の値上げについてどう思います?)ぜんぜん普通だと思います。物価の上昇とかから比べたら(値上げは)普通なんじゃないかな~」
「(Q.今回の意気込みは?)目標4時間切りなんですけど、それを達成したいと思います」

■自治体主催大会は苦境も 専門家「悪循環に陥っている」

 今、マラソン大会の運営は非常に厳しい状況にあるようだ。

 2007年、当時の石原慎太郎都知事が創設した東京マラソン。朝日新聞によると、大きな経済効果を生むなど大成功を収め、市民参加型の大規模マラソン大会は全国に広がりを見せていったという。

 また、マラソンランナー人口も増加傾向にあり、全日本マラソンランキングによると、2023年度のフルマラソンの完走者は31万6455人に上ったという。

 様々な事象の経済効果を試算している関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、日本陸連が公認している67の市民マラソン大会の経済効果は、およそ1099億2623万円に上るという。

 これに日本陸連が公認していないマラソン大会も含めると、その経済効果は4000億円前後になるということだ。

 しかし現在では、参加料の値上げや参加のための交通費・宿泊費の高騰などが原因で参加者が減少し、自治体が主催するマラソン大会で定員割れも深刻なようだ。

 例えば「高知龍馬マラソン」は2年連続で定員の1万2000人に届かず、今年は定員を1万人に削減したという。また「ひろしま国際平和マラソン」は経費や資材費などの高騰などにより大会の継続が困難だと判断し、2023年に終了している。

 大きな経済効果があるにもかかわらず、定員割れが起きている現状について宮本名誉教授は、「経済効果による税収が、大会運営費を上回ることはほとんどない。その結果、参加料を上げざるを得ず参加者が減少するという悪循環に陥っている」と指摘している。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年1月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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