2月4日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアとの交渉に応じる用意があるとした上で、いかなる交渉も米国と欧州の参加が必要だと強調した。同日、キーウ(キエフ)で撮影(2025年 ロイター/Alina Smutko)
[4日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアとの交渉に応じる用意があるとした上で、いかなる交渉も米国と欧州の参加が必要だと強調した。
英国人ジャーナリストのピアーズ・モーガン氏のインタビューに応じた。
ゼレンスキー氏は「仮に人々が外交路線に進むべきだと信じるなら、そして、外交路線に進む準備ができていると信じているが、米国、欧州、ウクライナ、ロシアが必要だ」と語った。
プーチン大統領と交渉のテーブルで向かい合うことが「ウクライナ国民に平和をもたらす唯一の手段であるならば、間違いなくこの手段を選び、これらの参加者と会談する」と語った。
ロシアのプーチン大統領は、ゼレンスキー氏が2024年5月の任期終了時に選挙に応じなかったとして、同氏の交渉参加を否定している。
一方、ウクライナは、選挙の実施は戒厳令が施行されている間は法的に不可能だと主張している。
インタビューでゼレンスキー氏は、19年に73%の得票率で当選したと述べ、ロシア側の主張を否定。「常に選挙に前向きだ。ただ、戦争中の選挙には憲法改正と法的な調整が必要だ」と語った。
その上で「重要なのは単なる法律の問題ではなく、人道的な問題だ。塹壕にいる兵士たちはどのように投票するのだろうか。占領地にいる何百万人ものウクライナ人はどうなるのか。彼らの声はもはや重要ではないのだろうか。戦争によって国外に追いやられた800万人のウクライナ人はどうなるのか」と問いかけた。
ロシアに対する制裁圧力を緩める必要はないと強調し、少しでも緩めれば第2次侵攻のリスクが高まると指摘した。
約3年続く紛争でウクライナ側の死者は4万5100人に達し、39万人が負傷したとの推計を示した。ロシア側については、死者が35万人、負傷者が60万─70万人で、ロシア軍の「多く」が行方不明となっているとの見方を示した。
また、将来のロシアの行動に備えるためウクライナには安全保障が必要だと改めて主張した。ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟手続きが長引いた場合、ウクライナはどのような形の支援を受けられるのかと述べ、「その間ずっとこの悪から誰がわれわれを守ってくれるのか」と問いかけた。
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