米国で始まった軍隊の戦力計画基準の見直し、日本への影響も甚大
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「KC-135」空中空輸機から給油を受ける「C-17」輸送機(1月13日、米空軍のサイトより)
急浮上した世界大戦の危機説
ロシアによるウクライナ侵略(以下、「ウクライナ戦争」)によって国際安全保障情勢は激変し、世界は新たな危機の時代に突入した。
戦後最大の試練の時を迎えたと指摘されるゆえんである。
それは、東西冷戦終結後、いったん確立したかに思われた普遍的価値やそれに基づく政治・経済体制ではあったが、それに挑戦する権威主義国家、すなわち中国やロシアなどが現れた。
そして、その勢力を拡大するため、政治、経済、軍事、情報などの分野で国際規範を無視し、力による一方的な現状変更を厭わない攻撃的な姿勢・手法に訴えているからである。
それを最も苛烈な形で顕在化させたのがウクライナ戦争にほかならない。
インド太平洋では、中国が黄海から東シナ海、南シナ海にかけて地域覇権確立に向けた行動を執拗に展開し、さらに米国に取って代わる世界覇権国の地位を目指している。
また、北朝鮮の核ミサイルの脅威は高まる一方である。
中東では、イスラエル・ハマス戦争の真の相手とされるイランが、代理組織であるガザのハマスに加え、レバノンのヒズボラやイエメンのフーシー派などを背後から動かしつつ地域覇権を狙うとともに、核兵器開発の懸念が指摘されている。
問題は、ウクライナ戦争を通じてユーラシアの東西、そして中東に位置する大国に北朝鮮を加えた4か国が連携・策動関係を深めていることにある。
米国と中国およびロシアとの「大国間競争」「戦略的競争」が激化し、「ならず者国家」と名指しされているイランおよび北朝鮮が両大国と同調する構図である。
万一、これら4か国との間で、同時、あるいは重複する紛争が生起すれば、それは世界戦争へと拡大するリスクを伴うというのが、にわかに議論の的となっているのだ。
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