5日の債券相場は下落。長期金利は前日に続いて約14年ぶり高水準を更新した。昨年12月の毎月勤労統計が順調な賃金の伸びを示し、日本銀行の利上げ継続を後押しするとの見方が売りにつながっている。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、市場で日銀の利上げ継続や前倒しが警戒される中、賃金が上振れたことで債券は大きく売られたと説明。投資家が焦って買わないといけない水準ではなく「買い手はなかなか出てきづらい」と述べた。
厚生労働省が5日発表した昨年12月の毎月勤労統計調査(速報)によると、名目賃金に相当する1人当たりの現金給与総額は前年同月比4.8%増と前月から加速。所定内給与は2.7%増と32年1カ月ぶりの高い伸びとなった。
関連記事:12月の名目賃金4.8%増、28年ぶり高水準-実質賃金2カ月連続プラス
長期国債先物3月物は一時前日比30銭安の140円15銭に下落新発10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)高い1.295%と、2011年4月以来の高水準新発2年債利回りは2bp高い0.76%と08年10月以来の高水準新発5年債利回りは一時3bp高い0.955%と08年11月以来の高水準新発20年債利回りは1.5bp高い2%と約3週間ぶり高水準
6日の30年国債入札に対する警戒感も出ている。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「市場では日銀の利上げが強く意識されており、30年債入札を前にした買いにくさも相場の重しになる」と話していた。
WACOCA: People, Life, Style.