ADPによると、1月の米民間雇用者数は予想を上回る伸びとなった。不確実性が高まる中でも雇用が底堅いことを示した。
キーポイント1月の米民間雇用者数は18万3000人増エコノミスト予想の中央値は15万人増昨年12月は17万6000人増に上方修正速報値は12万2000人増だったADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同で算出
US Firms Add Robust Number of Jobs in ADP Data
Private companies added 183,000 jobs in January, more than forecast
Source: ADP Research Institute
1月のADP統計は、労働市場が依然として健全なペースで拡大していることをあらためて裏付けるものだ。求人件数の減少と賃金の伸び減速は労働市場が幾分か減速している状況を示唆するが、雇用主は採用を続けており、レイオフも抑えられている。
米金融当局は今年どの程度の利下げが必要になるかを見極めるため、労働市場の動向を注視している。昨年9月から3会合連続で計1ポイントの利下げを実施したが、その背景には昨夏の失業率上昇もあった。その後、雇用市場は再び強さを見せており、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長も先週、「かなり安定」していると表現した。
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ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「2025年は力強いスタートを切った。ただ、労働市場の二分化を覆い隠してもいる。消費者向け産業が雇用をけん引する一方、ビジネスサービスや製造業では伸びが鈍化した」と指摘した。
雇用の伸びは貿易や運輸、娯楽・ホスピタリティーなどサービス分門に集中。財生産部門では、建設業と鉱業の雇用が増加したが、製造業の雇用は減少した。
1月統計では賃金の安定した伸びも示された。転職した労働者の賃金は6.8%上昇。同じ職にとどまった労働者の賃金は4.7%上昇した。
7日に発表される1月雇用統計では、民間部門雇用者数は15万人増と予想されている。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Firms Add 183,000 Jobs in ADP Data, More Than Forecast(抜粋)
(統計の詳細をさらに追加して更新します)
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