円の短期的な相場変動を反映する指標が24日に上昇し、6週間ぶりの高水準に迫った。インフレ圧力が高まる見通しに加え、日本銀行が長期金利急上昇に警告を発する状況にトレーダーが対応する様子が見て取れる。

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  ドル・円の1カ月物インプライド・ボラティリティー(IV)は一時10.77%に達し、1月15日以来の高水準で取引を終える勢いだ。過去3営業日で2回目の上昇となる。

Yen Volatility Climbs to Highest Since Mid-January

 

 

  日銀が金融政策の刺激を後退させるべきペースについて、投資家の見解は分かれているようだ。21日発表の1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比3.2%上昇と、市場予想(3.1%上昇)を上回った。今週発表される2月の東京都区部CPIは、追加利上げの必要性を裏付ける数字になると予想される。

  追加利上げ観測を背景に円相場の2月の上昇率は約4%と、このままいけばブルームバーグがフォローする16主要通貨で最良のパフォーマンスの一つになる。

  ただ日銀の植田和男総裁は21日、長期金利が例外的に急上昇する場合には機動的に国債買い入れ増額などを実施する考えを示し、円は上げ幅を縮小した。今後数週間で何らかの追加措置が取られれば、円のさらなる変動を招く可能性がある。

  24日のドル・円の1カ月物リスクリバーサルは1.46%のプットオーバーと、向こう1カ月で円高が進むと市場がみている様子がうかがえる。

原題:Yen Volatility Nears Six-Week High as Tokyo Inflation Gauge Eyed(抜粋)

(ボラティリティーの見通しを追加して更新します)

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