米国の元国防長官5人は27日、トランプ大統領が米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長(写真中央左)らを解任したことについて「無謀」だと非難、議会に対し後任人事を承認しないよう求める書簡を出した。写真中央右はヘグセス米国防長官。ワシントンで1月撮影。提供写真(2025年 ロイター/DoD/Benjamin D Applebaum)
[ワシントン 27日 ロイター] – 米国の元国防長官5人は27日、トランプ大統領が米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長らを解任したことについて「無謀」だと非難、議会に対し後任人事を承認しないよう求める書簡を出した。
書簡はトランプ氏が政治的に中立な米軍を党派政治の道具にしようとしていると批判。「大統領の権力に対する法的制約を取り除く」ため陸海空軍のトップ弁護士まで解雇していると指摘した。
書簡を出したのは民主党政権で国防長官を務めたウィリアム・ペリー、レオン・パネッタ、チャック・ヘーゲル、ロイド・オースティン各氏のほか、第1次トランプ政権で国防長官を務めたジェームズ・マティス氏。
「トランプ大統領の行動は、完全志願制の兵力を損ない、国家安全保障を弱体化させる」と主張している。
トランプ氏は今月21日にブラウン統合参謀本部議長を解任、近く他の高官5人も入れ替えると発表した。米軍指導部では前例のない大規模な人事刷新となるが、理由は明示していない。女性初の海軍制服組トップだったフランチェッティ海軍作戦部長も解任された。 もっと見る
ブラウン氏は黒人として史上2人目の米軍制服組トップだった。
ヘグゼス国防長官は米軍の多様性・公平性・包摂性(DEI)の取り組みを排除する政策を推進しており、著書の中でブラウン氏が黒人でなかったら統合参謀本部議長に就けただろうかと疑問を呈していた。
書簡は上下両院に対し、トランプ氏による解任が「国家安全保障に及ぼす影響を調査」するため、公聴会を開催するよう要請。また上院に対し、トランプ氏が次期統合参謀本部議長に指名した退役軍人のダン・ケイン氏らの指名承認を拒否するよう求めている。
トランプ氏が所属する共和党は上下両院で多数派を占めている。
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