[メキシコ市 27日 ロイター] – メキシコは27日、麻薬組織に関与した受刑者や被告ら29人を米国に引き渡したと明らかにした。トランプ米大統領は合成麻薬フェンタニルなど違法薬物の流入を理由に、3月4日にもメキシコ製品への関税を発動すると警告している。

ボンディ米司法長官も29人の被告が米側に引き渡されたと表明した。

関係筋によると、1985年に米麻薬取締局(DEA)捜査官の殺害に関与したとされ、麻薬密売の罪でニューヨーク州で起訴されているラファエル・カロ・キンテロ被告ら少なくとも2人については、28日に同州の連邦地裁で罪状認否が行われる。

このほか、凶悪麻薬組織として知られる「シナロア・カルテル」のフェンタニル密売部門幹部や、近年台頭した「CJNG」と呼ばれるカルテルのリーダーの兄弟も引き渡された。

米当局者はCJNGとシナロアについて、過去数年間に米国にフェンタニルを流入させた主要なメキシコ麻薬組織としている。

メキシコ政府高官はこの日、関税回避に向けてワシントンで米当局者と会談した。メキシコ側によると、フェンタニルや武器密売を取り締まる措置を今後数週間に講じることで治安当局者が合意した。

米関係筋は今回の一斉引き渡しについて、メキシコ政府の「誠意」を示していると語った。

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Drazen is a Senior Correspondent and investigative journalist based in Mexico City. He was previously with Reuters in London, Kenya and Pakistan. He won the 2023 Overseas Press Club of America award for best international reporting in Latin America.

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