知らぬ間に忍び寄る「体内の衰弱」のリスク

2025.3.4(火)

伊東 乾

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 3月1日フリーアナウンサー「みのもんた」こと御法川法男(みのりかわ・のりお)氏の訃報が伝えられました。

 享年80。「平成」という時代を代表するメディア人逝去の報に、また一つ時代が過ぎ去り変わって行くのを感じます。

 しかし、「平成は遠くなりにけり」という印象にはなりません。

 平成の30年間は「失われた30年」にピタリと重なり合います。元号は「令和」に代わっても、「失われた時間」は継続しているように思われるからです。

「平成」が終わった「令和」元年は2019年5月1日にスタートします。

 しかしこの年は、夏には大型台風が来襲、千葉県の大停電を筆頭に甚大な被害が出、年末から翌年にかけて蔓延した新型コロナウイルス感染症パンデミックが始まり、全世界の社会経済が停滞。

 オリンピックも延期され、社会の歯車は新たな動きを見せませんでした。

 疫病が弱まると、今度はウクライナ戦争勃発など、別の「動き」が国際社会に生じ、これは日本経済に円安をもたらす一因となった。

 外国からの利子や投資リターンが増え、経常収支で円建ての額面は増えても、本当の意味で日本国内に新しい「動き」が出ているとは、とても言えません。

 このままでは「失われた40年」に延伸するのではないかという見方もある中で、「ミスター平成」ともいえる「みのもんた」氏の訃報。

 彼が罹患した病気には筆者は一定の関係があり、以下の警鐘を鳴らしたいと思います。

 それは「本人は大丈夫なつもりでも、知らぬ間に忍び寄る老いが思わぬ足元を掬うリスク」です。万人に無縁ではない問題です。

 筆者は1990(平成2)年から99(平成11)年にかけて地上波テレビ番組と関わって生活していました。

 まさに「みのもんた」史の上り坂から頂点にかけての時期を、業界の隅の方からまぶしく眺めていました。

 しかし30年40年と時が過ぎるとともに、見えない所に老いや衰弱が到来している。ちょうど埼玉県八潮市の陥没事故で、50年もつはずだった下水管が40年で破断したように・・・。

 本稿では「みのさん」に襲い掛かった病魔「パーキンソン病」について、誰もが知っておいた方が安全な「常識の死角」を記したいと思います。

 なお、この連載では普段強調しませんが、私の研究室ではパーキンソン病の進行を食い止めるリハビリテーション・システムの開発などを手掛けています。  

 私は医師ではありません。しかし物理や脳認知を背景とするコメディカル、リハビリテーションの観点から、社会が広く知るべきポイントがいくつもあることは理解していますので、ポイントを平易に記します。

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