「Android 16」の公開を待ちわびている人は、思っているほど長く待たされずに済むかもしれない。

 Googleは「Mobile World Congress 2025」でAndroid Policeの取材に応じ、次期バージョンの「Android」は6月中に登場する見込みだと語った。

 スケジュールがいつもより早いと感じられたとしたら、その感覚は当たっている。ここ数年、Androidの最新バージョンは秋にリリースされるのが普通で、新しい「Pixel」スマートフォンの発表に合わせて公開されることが多かったからだ。Googleが「Android 15」を一般公開したのは米国時間2024年10月15日、「Android 14」は2023年10月4日だった。

 だが今回は、スケジュールが前倒しされているようだ。Android 16の最初のベータ版は1月24日に、2番目のバージョンは2月14日にリリースされている。Android 15の場合、最初のベータ版が登場したのは2024年4月だった。

スケジュールが早まっている理由は?

 このスケジュールの前倒しは、Googleが自らに課したものだ。同社でAndroidエコシステム担当のプレジデントを務めるSameer Samat氏がAndroid Policeに語ったところによると、前倒しを可能にした大きな要因は、「Trunk Stable」と呼ばれるAndroidの新たな開発プロセスにある。このプロセスによって、新機能の開発と安定性のテストにかかる時間が大幅に短縮できているという。

 「Trunk Stableによる開発では、Androidに関わるすべてのスタッフが同じコードブランチで作業を進めている」と、Samat氏は言う。そのため、スタッフが複数の異なるブランチに分かれて作業を進め、最後に統合する必要がない。従来のリリーススケジュールでは、6月に統合が実施され、その後数カ月かけて残りのすべての問題を解決するのが常だった。「私たちが社内で自らに課した課題の1つが、このスケジュールを早められるか確かめることだった」と、同氏は付け加えた。

Android 16の新機能は?

 Android 16にどのような機能がもたらされるのか、詳しいことは分かっていないが、最初の2種類のベータ版からある程度の情報は得られている。例えば、新しいタイプの通知機能である「Live Updates」(ライブアップデート)が導入されたほか、「Googleウォレット」が使いやすくなり、「Advanced Professional Video」(APV)コーデックのサポートが開始された。また、カメラソフトウェアに複数のアップデートが実施されている。

 Googleの年次開発者会議「Google I/O」が5月20〜21日に予定されているため、さらに詳しい情報はそのときに発表される可能性が高い。

提供:picture alliance/Getty Images
提供:picture alliance/Getty Images

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

WACOCA: People, Life, Style.