ニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで4カ月ぶり高値を更新した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 5日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで4カ月ぶり高値を更新した。ドイツの借り入れ上限「債務ブレーキ」改革によって欧州の成長見通しが改善し、世界的な貿易摩擦の悪影響を相殺するとの期待が高まった。
一方、関税やインフレが経済に与える影響による先行き不透明感から、ドルは大半の通貨に対し下落した。市場は米景気後退の可能性を織り込み始めており、年内の景気後退入りの確率は42%となっている。
マネックスUSAのトレーディングディレクター、フアン・ペレス氏は「足元、ドルのポジションを減らすことが賢明と見込まれている。関税や貿易戦争が米経済にマイナスと見なされれば、金融政策緩和の可能性を巡る憶測が再燃するだろう」と述べた。
ユーロ/ドルは一時昨年11月8日以来の高値を付けた後、終盤の取引では1.5%高の1.0791ドル。1日としては2023年11月以来の大幅な伸びを記録する見通し。週初からは4%高と、週間の伸びとしては22年11月以来の高さとなる勢い。
ユーロは円、ポンド、スイスフランなどに対しても上昇した。
ドイツ連邦銀行(中央銀行)は4日、憲法で定められた借り入れ上限「債務ブレーキ」の抜本的な改革を提案した。これにより政府は2030年までに、最大2200億ユーロ(2320億ドル)の追加資金を国防と投資に充てることができるとしている。 もっと見る
欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で利下げを実施すると見込まれている。
主要通貨に対するドル指数は1.2%安の104.29と、昨年11月8日以来の安値を付けた。
ポンド/ドルは一時4カ月ぶり高値を付けた後、終盤は0.8%高の1.2897ドル近辺で推移した。
ドル/円は0.6%安の148.87円。関税を巡る不確実性が一因となり、米経済成長鈍化の兆候がみられることがドルへの重しとなった。
米国は4日未明、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を発動。カナダもこれに対し報復関税を発動した。ただ5日になり、ホワイトハウスによると、トランプ大統領は米大手自動車メーカートップらとの電話会議で、北米製の一部の自動車について関税導入を30日間延期することで同意した。 もっと見る
カナダドルは対ドルで0.3%上昇し、1米ドル=1.4341カナダドル。
表はLSEGデータに基づいています
※外為市場
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