AMDのゲーマー/クリエイター向けCPU「Ryzen 9 9950X3D」と「Ryzen 9 9900X3D」が3月14日に発売される。第2世代3D V-Cashを備えるZen 5世代のハイエンドCPUだ。
発売に先立ち、最上位モデルとなる「Ryzen 9 9950X3D」をテストする機会を得られた。先行して発売されていたRyzen 7 9800X3DやRyzen 9 9950Xとの比較を通して、新たなハイエンドCPUの実力を確かめてみよう。
第2世代3D V-Cacheを備えるZen 5世代のハイエンドCPU
Ryzen 9 9950X3Dは、Zen 5アーキテクチャを採用する16コア/32スレッドCPU。1基あたり8つのCPUコアを備えるCCD(Core Complex Die)を2基搭載することで16コアを実現。片方のCCDに第2世代3D V-Cacheを導入することで合計128MB(96+32MB)の大容量L3キャッシュを備えている。対応CPUソケットはSocket AM5。
チップセット機能を担うIODの機能は既存のRyzen 9000シリーズと同等で、DDR5-5600対応のメモリコントローラや28レーンのPCIe 5.0、RDNA 2ベースのiGPU「Radeon Graphics」などが利用できる。電力指標のTDPは170Wで、電力リミットのPPTは200W。
同日発売のRyzen 9 9900X3Dは12コア/24スレッドCPUで、Ryzen 9 9950X3Dと同等のL3キャッシュやIO機能を備えつつ、2つのCCDでそれぞれ2基のCPUコアを無効化することで12コアを実現した下位モデルだ。こちらはTDPが120Wに設定されており、PPTは162Wとなっている。
国内における発売時の価格はRyzen 9 9950X3Dが税込み13万2,800円、Ryzen 9 9900X3Dは税込み11万2,800円となる見込みだ。
【表1】Ryzen 9 9950X3Dの主なスペックモデルナンバーRyzen 9 9950X3DRyzen 9 9900X3DRyzen 7 9800X3DRyzen 9 9950XCPUアーキテクチャZen 5Zen 5Zen 5Zen 5製造プロセスCCD=4nm、IOD=6nmCCD=4nm、IOD=6nmCCD=4nm、IOD=6nmCCD=4nm、IOD=6nmチップレット構成2×CCD + IOD2×CCD + IOD1×CCD + IOD2×CCD + IODCPUコア数1612816CPUスレッド数32241632L2キャッシュ16MB (8+8MB)16MB (8+8MB)8MB16MB (8+8MB)L3キャッシュ128MB (96+32MB)128MB (96+32MB)96MB64MB (32+32MB)ベースクロック4.3GHz4.4GHz4.7GHz4.3GHz最大ブーストクロック5.7GHz5.5GHz5.2GHz5.7GHziGPURadeon GraphicsRadeon GraphicsRadeon GraphicsRadeon GraphicsGPUコア数2222GPUクロック2,200MHz2,200MHz2,200MHz2,200MHz対応メモリDDR5-5600/2chDDR5-5600/2chDDR5-5600/2chDDR5-5600/2chPCI ExpressPCIe 5.0 x28PCIe 5.0 x28PCIe 5.0 x28PCIe 5.0 x28TDP170W120W120W170WPPT200W162W162W200WTDC160A120A120A160AEDC225A180A180A225ATjMax95℃95℃95℃95℃対応ソケットSocket AM5Socket AM5Socket AM5Socket AM5合計128MBのL3キャッシュを有する16コア/32スレッドCPU「Ryzen 9 9950X3D」
Ryzen 9 9950X3DのCPU-Z実行画面ベンチマーク結果
ここからは、ベンチマークテストの結果を確認していく。今回実施したベンチマークテストは以下の通り。
Cinebench 2024Cinebench R233DMark「CPU Profile」Blender Benchmarkやねうら王Adobe Camera RawDaVinci Resolve 19HandBrakePCMark 10 ExtendedPCMark 10 ApplicationUL Procyon「Office Productivity Benchmark」UL Procyon「Photo Editing Benchmark」MicroBenchXAIDA64 Cache & Memory Benchmark3DMarkファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークモンスターハンターワイルズ ベンチマークForza Horizon 5F1 24フォートナイトVALORANTサイバーパンク2077Microsoft Flight Simulator 2024Cinebench 2024
Cinebench 2024では、CPU性能を計測する「CPU (Multi Core)」と「CPU (Single Core)」を実行した。
マルチスレッド性能を計測するCPU (Multi Core)において、Ryzen 9 9950X3Dは「2,311」という全体2番手のスコアを記録。Core Ultra 9 285Kを約3%下回る一方で、Ryzen 9 9950Xを約7%、Ryzen 7 9800X3Dを約75%上回った。
Cinebench 2024「CPU (Multi Core)」
シングルスレッド性能を計測するCPU (Single Core)では、Ryzen 9 9950X3DがRyzen 9 9950Xと並ぶ「137」を記録。Core Ultra 9 285Kを約2%下回る一方で、Ryzen 7 9800X3Dを約5%上回った。
Cinebench 2024「CPU (Single Core)」Cinebench R23
Cinebench R23でも、マルチスレッド性能を計測する「CPU (Multi Core)」とシングルスレッド性能を計測する「CPU (Single Core)」を実行した。
「CPU (Multi Core)」において、Ryzen 9 9950X3Dは全体2番手となる「42,108」を記録。Core Ultra 9 285Kを約1%下回る一方で、Ryzen 9 9950Xを約3%、Ryzen 7 9800X3Dを約80%上回った。
Cinebench R23「CPU (Multi Core)」
「CPU (Single Core)」においてRyzen 9 9950X3Dが記録したスコアは「2,280」で、Ryzen 9 9950Xをわずかに上回る全体2番手を獲得。Core Ultra 9 285Kを約3%下回る一方で、Ryzen 7 9800X3Dを約8%上回った。
Cinebench R23「CPU (Single Core)」3DMark「CPU Profile」
CPU性能をスレッド数毎に計測する3DMarkのベンチマークテスト「CPU Profile」では、Ryzen 9 9950Xのスコアを基準に指数化したグラフを作成した。
Ryzen 9 9950X3DはRyzen 9 9950Xとほぼ同等のスコアを記録しており、16スレッド時に約10%上回ったことを除いてCore Ultra 9 285Kを5~12%下回り、Ryzen 7 9800X3Dを4~65%上回った。
3DMark「CPU Profile」Blender Benchmark
Blender Benchmarkでは、CPUテストを実行して3つのシーンでレンダリング速度(Samples per Minutes)を計測した。
Ryzen 9 9950X3Dのレンダリング速度はすべてのシーンで比較製品中最速を記録。Ryzen 9 9950Xを5~8%、Ryzen 7 9800X3Dを85~92%、Core Ultra 9 285Kを5~17%上回った。
Blender Benchmarkやねうら王
将棋ソフトの「やねうら王」では、ベンチマーク機能を利用してマルチスレッドテストとシングルスレッドテストを実行した。
マルチスレッドテストでは、Ryzen 9 9950X3Dが比較製品中最速を記録しており、Ryzen 9 9950Xを約4%、Ryzen 7 9800X3Dを約81%、Core Ultra 9 285Kを約11%上回った。
やねうら王「マルチスレッド」
シングルスレッドテストでは、Ryzen 9 9950X3Dの結果は比較製品中3番手となっており、Ryzen 9 9950Xを約1%、Ryzen 7 9800X3Dを約2%下回る一方で、Core Ultra 9 285Kを約7%上回った。
やねうら王「シングルスレッド」Adobe Camera Raw「RAW現像」
Adobe Camera Rawにて、デジタルカメラで撮影した2,400万画素のRAWファイル100枚をJPEGファイルに現像するのに掛かった時間を測定。その処理速度(fps)を比較した。
Ryzen 9 9950X3Dの処理速度は「7.03fps」で全体2番手となっており、Core Ultra 9 285Kを約3%下回る一方で、Ryzen 9 9950Xを約4%、Ryzen 7 9800X3Dを約15%上回った。
Adobe Camera Raw「RAW現像」DaVinci Resolve 19
DaVinci Resolve 19では、カメラで撮影した2160p60(4K60p)動画を素材として作成した約60秒の動画を、YouTube向けプリセットをベースにH.264形式とH.265形式で書き出したさいの処理速度を計測した。
GPUとそのメディアエンジンへの依存度が高いテストであるため、Ryzen 7 9800X3DはRyzen 7 7800X3DやCore i9-14900Kとほぼ同等の速度を記録している。
H.264形式で書き出したさいのRyzen 9 9950X3Dは全体3番手の速度を記録しており、Ryzen 7 9800X3Dを約6%、Core Ultra 9 285Kを約6%下回る一方で、Ryzen 9 9950Xを約3%上回った。
H.265形式で書き出したさいのRyzen 9 9950X3Dは全体ベストの速度を記録。Ryzen 9 9950Xを約3%、Ryzen 7 9800X3Dを約3%、Core Ultra 9 285Kを約7%上回った。
DaVinci Resolve 19「動画の書き出し」HandBrake
HandBrakeでは、約60秒の2160p60(4K60p)動画をH.264、H.265、AV1の各形式でエンコードしたさいの速度を計測した。
x264を用いるH.264形式へのエンコードでは、Ryzen 9 9950X3DがRyzen 9 9950XとCore Ultra 9 285Kに並ぶ速度を記録しており、Ryzen 7 9800X3Dを約38%上回った。
x265を用いたH.265形式へのエンコードでは、Ryzen 9 9950X3Dが単独で最速を記録。Ryzen 9 9950Xを約1%、Ryzen 7 9800X3Dを約34%、Core Ultra 9 285Kを約27%上回った。
SVTを用いたAV1形式へのエンコードにおいて、Ryzen 9 9950X3Dは全体2番手の速度を記録。Core Ultra 9 285Kを約15%下回る一方で、Ryzen 9 9950Xを約4%、Ryzen 7 9800X3Dを約37%上回った。
HandBrake「動画エンコード」PCMark 10 Extended
PCMark 10標準のテストの中でもっとも詳細な「PCMark 10 Extended」を実行した結果が以下のグラフ。
総合スコアで「14,958」を記録したRyzen 9 9950X3DはわずかにRyzen 7 9800X3Dを下回る全体2番手だった。Ryzen 9 9950Xを約1%、Core Ultra 9 285Kを約14%上回った。
PCMark 10 ExtendedPCMark 10 Application
Microsoft OfficeやWebブラウザのEdgeを使ってパフォーマンスの計測を行なう「PCMark 10 Application」の実行結果が以下のグラフ。
総合スコアで「19,037」を記録したRyzen 9 9950X3Dは全体ベストを獲得。Ryzen 9 9950Xを約1%、Ryzen 7 9800X3Dを約3%、Core Ultra 9 285Kを約1%上回った。
PCMark 10 ApplicationUL Procyon「Office Productivity Benchmark」
Microsoft Officeを使ってパフォーマンスの計測を行なうUL Procyon「Office Productivity Benchmark」を実行した結果が以下のグラフ。
総合スコアで「7,934」を記録したRyzen 9 9950X3Dは全体2番手で、Ryzen 9 9950Xを約2%下回る一方で、Ryzen 7 9800X3Dを約6%、Core Ultra 9 285Kを約4%上回った。
UL Procyon「Office Productivity Benchmark」UL Procyon「Photo Editing Benchmark」
Adobeの画像編集系ソフト(Photoshop、Lightroom Classic)を使ってパフォーマンスの計測を行なうUL Procyon「Photo Editing Benchmark」を実行した結果が以下のグラフ。
総合スコアで「11,311」を記録したRyzen 9 9950X3DはRyzen 9 9950Xをわずかに上回り全体ベストを獲得。Ryzen 7 9800X3Dを約4%、Core Ultra 9 285Kを約13%上回った。
UL Procyon「Photo Editing Benchmark」CPUコア間のレイテンシ
MicroBenchXの「CoherencyLatency」でCPUコア間のレイテンシを計測した結果が以下のマトリックス表だ。
Ryzen 9 9950X3DのCPUコア間レイテンシは、同じCCD内であれば20ns前後といったところだが、CCDを跨ぐ場合は85ns前後に増加している。これは同じチップレット構成のRyzen 9 9950Xと同程度だ。
なお、3D V-Cache搭載のCCD-0と非搭載のCCD-1を比較した場合、CCD-0が平均21.4nsなのに対し、CCD-1は19.4nsとなっており、3D V-Cache搭載CCDの方がコア間レイテンシはやや大きくなっている。
Ryzen 9 9950X3DのCPUコア間レイテンシ
Ryzen 9 9950XのCPUコア間レイテンシ
Ryzen 7 9800X3DのCPUコア間レイテンシ
Core Ultra 9 285KのCPUコア間レイテンシAIDA64 Cache & Memory Benchmark「メインメモリ性能」
AIDA64 Cache & Memory Benchmarkで、メインメモリの帯域幅とレイテンシを計測した結果が以下のグラフ。
DDR5-5600メモリを搭載するRyzen 9 9950X3Dのメモリ帯域幅は、リード66.2GB/s、ライト70.1GB/s、コピー62.0GB/sとなっており、コア数が同じRyzen 9 9950Xとほぼ同等のメモリ帯域幅を記録。レイテンシについてもRyzen 9 9950XやRyzen 7 9800X3Dと同程度の92.5nsとなっている。
AIDA64 Cache & Memory Benchmark「メインメモリの帯域幅」
AIDA64 Cache & Memory Benchmark「メインメモリのレイテンシ」AIDA64 Cache & Memory Benchmark「キャッシュ性能」
AIDA64 Cache & Memory Benchmarkで、CPUが備えるキャッシュメモリの帯域幅とレイテンシを計測した結果が以下のグラフ。
Ryzen 9 9950X3Dのキャッシュ帯域幅は概ねRyzen 9 9950Xと同程度となっており、レイテンシに関してはL3キャッシュがRyzen 9 9950Xよりやや大きいものの、その数値は3D V-Cacheを搭載するRyzen 9 9800X3Dと同程度となっている。
AIDA64 Cache & Memory Benchmark 「キャッシュの帯域幅 (Read)」
AIDA64 Cache & Memory Benchmark 「キャッシュの帯域幅 (Write)」
AIDA64 Cache & Memory Benchmark 「キャッシュの帯域幅 (Copy)」
AIDA64 Cache & Memory Benchmark「キャッシュのレイテンシ」3DMark「Speed Way」
3DMarkのDirectX 12 Ultimateテスト「Speed Way」において、Ryzen 9 9950X3DはRyzen 9 9950Xをわずかに下回る3番手のスコアを記録。Ryzen 7 9800X3Dを約1%下回る一方で、Core Ultra 9 285Kを約1%上回った。
3DMark「Speed Way」3DMark「Steel Nomad」
3DMarkのDirectX 12テスト「Steel Nomad」では、GPU負荷の高い通常版Steel Nomadと、より軽量なSteel Nomad Lightを実行した。
高負荷テストのSteel Nomadでは各CPUのスコアがほぼ横並びとなっており、CPU性能の違いを反映したと言えるスコア差は生じていない。
3DMark「Steel Nomad」
軽量版のSteel Nomad LightでのRyzen 9 9950X3Dは、Ryzen 9 9950Xをわずかに下回って全体3番手となっており、Ryzen 7 9800X3Dを約6%下回る一方で、Core Ultra 9 285Kを約15%上回った。
3DMark「Steel Nomad Light」3DMark「Port Royal」
3DMarkのDXR(DirectX Raytracing)テスト「Port Royal」において、Ryzen 9 9950X3DはRyzen 9 9950XおよびRyzen 7 9800X3Dと同程度のスコアを記録。Core Ultra 9 285Kを約10%上回った。
3DMark「Port Royal」3DMark「Solar Bay」
3DMarkの軽量レイトレーシングテスト「Solar Bay」において、Ryzen 9 9950X3Dは僅差ながら比較製品中最下位のスコアとなっており、Ryzen 9 9950Xを約1%、Ryzen 7 9800X3Dを約0.1%、Core Ultra 9 285Kを約2%下回った。
3DMark「Solar Bay」3DMark「Wild Life」
3DMarkのVulanテスト「Wild Life」では、通常版のWild Lifeと高負荷版のWild Life Extremeを実行した。
通常版のWild Lifeにおいて、Ryzen 9 9950X3Dは僅差ながら全体2番手のスコアを記録しており、Core Ultra 9 285Kを約6%下回る一方で、Ryzen 9 9950Xを約1%、Ryzen 7 9800X3Dを約7%上回った。
高負荷版のWild Life Extremeに関しては各CPUのスコアがほぼ横並びとなっており、CPU性能の違いを反映したと言えるスコア差は生じていない。
3DMark「Wild Life」ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークでは、グラフィックスプリセットを「最高品質」に設定して、3つの画面解像度でスコアと平均フレームレートを計測した。なお、超解像は無効にしている。
Ryzen 9 9950X3Dは、4K/2160pでRyzen 7 9800X3Dと同等のスコアを記録したことを除けば、比較製品の中で最高のスコアを記録。Ryzen 9 9950Xを16~31%、Ryzen 7 9800X3Dを3~4%、Core Ultra 9 285Kを19~49%上回った。
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク「スコア」
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク「平均フレームレート」モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
モンスターハンターワイルズ ベンチマークでは、グラフィックスプリセット「ウルトラ」で3つの画面解像度をテストしたほか、フルHD/1080pでグラフィックスプリセットを「中」に設定した高fps設定でのテストも実行した。なお、いずれの条件でもアンチエリアスを「DLSS(DLAA)」、レイトレーシングを「高」、フレーム生成を「オフ」に設定している。
Ryzen 9 9950X3Dはすべての条件でRyzen 7 9800X3Dとほぼ同等のスコアを記録しており、CPU性能の差がスコアに反映されなかった4K/2160pを除くと、Ryzen 9 9950Xを9~21%、Core Ultra 9 285Kを8~22%上回った。
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク 「スコア」
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク 「平均フレームレート」Forza Horizon 5
Forza Horizon 5ではゲーム内ベンチマークモードを使用して、グラフィックスプリセット「エクストリーム」で3つの画面解像度をテストしたほか、フルHD/1080pでグラフィックスプリセットを「中」に落とした高fps設定でのテストを行なった。
Ryzen 9 9950X3Dはすべての条件でRyzen 7 9800X3Dとほぼ同等のスコアを記録しており、Ryzen 9 9950Xを3~25%、Core Ultra 9 285Kを5~38%上回った。
Forza Horizon 5F1 24
F1 24ではゲーム内ベンチマークモードを使用して、グラフィックスプリセット「超高」で3つの画面解像度をテストしたほか、フルHD/1080pでグラフィックスプリセットを「中」に落とした高fps設定でのテストを行なった。なお、いずれの条件でもアンチエリアスを「DLSS(DLAA)」、フレーム生成を「オフ」に設定している。
Ryzen 9 9950X3Dが記録した平均フレームレートはRyzen 7 9800X3Dと同等かやや下回るものとなっており、Ryzen 9 9950Xを2~7%、Core Ultra 9 285Kを1~13%上回った。
F1 24フォートナイト
フォートナイトでは、NaniteおよびLumenを無効にした上でグラフィックスプリセットを「最高」に設定し、3つの画面解像度で平均フレームレートを計測した。また、フルHD/1080pでグラフィックスプリセットを「中」に落とした高fps設定での計測も行なっている。テスト時のグラフィックスAPIはDirectX 12で、3D解像度はすべての条件で「100%」。
Ryzen 9 9950X3Dが記録した平均フレームレートはRyzen 7 9800X3Dとほぼ同等で、Ryzen 9 9950Xを2~50%、Core Ultra 9 285Kを3~44%上回った。
フォートナイトVALORANT
VALORANTでは、グラフィックス設定をできる限り高く設定して、3つの画面解像度で平均フレームレートを計測した。なお、この計測は射撃場の全景が見渡せる場所で行なっているため、CPUボトルネックが顕著に現れている。
Ryzen 9 9950X3Dは全体ベストの平均フレームレートを記録。Ryzen 9 9950Xを79~86%、Ryzen 7 9800X3Dを3~4%、Core Ultra 9 285Kを113~118%上回った。
VALORANTサイバーパンク2077
サイバーパンク2077ではゲーム内ベンチマークモードを利用して、グラフィックスプリセット「レイトレーシング:オーバードライブ」で3つの画面解像度をテストしたほか、フルHD/1080pでグラフィックスプリセットを「ウルトラ」に落とした高fps設定でのテストも行なった。なお、すべての条件で超解像を「DLSS(クオリティ)」、フレーム生成を「オフ」に設定している。
Ryzen 9 9950X3Dが記録した平均フレームレートはRyzen 7 9800X3Dとほぼ同等で、Ryzen 9 9950Xを4~32%、Core Ultra 9 285Kを4~30%上回った。
サイバーパンク2077Microsoft Flight Simulator 2024
Microsoft Flight Simulator 2024では、グラフィックスプリセット「ウルトラ」で3つの画面解像度をテストしたほか、フルHD/1080pでグラフィックスプリセットを「ミドル」に落とした高fps設定でもテストを実行した。なお、すべての条件でアンチエイリアスを「DLSS(DLAA)」、フレーム生成を「オフ」に設定している。
前作Microsoft Flight Simulatorと同じように3D V-Cacheの効果が顕著にあらわれており、Ryzen 9 9950X3Dはすべての条件で最高の平均フレームレートを記録。Ryzen 9 9950Xを51~84%、Ryzen 7 9800X3Dを1~5%、Core Ultra 9 285Kを32~64%上回った。
Microsoft Flight Simulator消費電力とワットパフォーマンス
ラトックシステムのワットチェッカー「RS-BTWATTCH2」を使用して、アイドル時の最小消費電力とベンチマーク実行中の平均消費電力と最大消費電力を計測した。
Ryzen 9 9950X3Dのアイドル時最小消費電力は108.6Wで、同じCCD構成のRyzen 9 9950Xが記録した109.7Wと同程度となっており、Ryzen 7 9800X3Dの104.4Wよりやや高い。プラットフォームが異なるCore Ultra 9 285Kが記録した74.1Wよりだいぶ高い数値だが、これには2基のチップセットを備えるAMD X870Eチップセットの仕様も影響している。
主な処理をCPUで実行するCinebench 2024やHandBrakeなどのベンチマークテストにおいて、Ryzen 9 9950X3DはRyzen 9 9950Xとほぼ同等の平均消費電力を記録。Core Ultra 9 285Kより低いテストが多い一方で、Ryzen 7 9800X3Dより100W以上高い消費電力となっている結果もみられる
ゲーム系のベンチマークテストにおけるRyzen 9 9950X3Dの平均消費電力は、3DMarkに関してはRyzen 9 9950Xと同程度である一方、FF14ベンチマークでは比較製品中もっとも高い消費電力となっている。これはCPU本体の消費電力に加え、GPUの性能をより引き出したことによって生じたものであると考えられる。
システム消費電力 (平均/最大)│[1/2]
システム消費電力 (平均/最大)│[2/2]
システムの平均消費電力でベンチマークスコアを割ることによって求めたワットパフォーマンスを、Ryzen 9 9950Xを基準に指数化したものが以下のグラフ。
Ryzen 9 9950X3DのワットパフォーマンスはRyzen 9 9950X比で100~117%を記録。スコアで圧倒したFF14ベンチマークで明確な差をつけた一方、CPU系ベンチマークではやや高い程度にとどまった。
ワットパフォーマンス (Ryzen 9 9950X比)│[1/2]
ワットパフォーマンス (Ryzen 9 9950X比)│[2/2]Cinebench 2024実行中のモニタリングデータ
HWiNFO64 Proを使って計測したCinebench 2024「CPU (Multi Core)」実行中のモニタリングデータをまとめたものが以下のグラフ。テスト時の室温は約24℃。
Ryzen 9 9950X3DのCPU温度は平均75.2℃(最大76.4℃)で、CPU消費電力は平均199.8W(最大200.2W)となっており、常に電力リミットに達して電力リミットスロットリングが動作している。その結果、テスト中のCPU平均クロックはCCD-0が5,099MHzで、CCD-1は5,086MHzだった。
FF14ベンチマーク実行中のモニタリングデータ
HWiNFO64 Proを使って計測した「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク(フルHD/1080p、最高品質)」実行中のモニタリングデータをまとめたものが以下のグラフ。テスト時の室温は約24℃。
Ryzen 9 9950X3DのCPU温度は平均63.2℃(最大66.6℃)で、CPU消費電力は平均98.4W(最大130.9W)となっており、温度リミットと電力リミットのいずれにも達していない。その結果、テスト中のCPU平均クロックはCCD-0が5,414MHzで、CCD-1は4,299MHzだった。
テスト中にCCD-1が低クロック動作となっているのは、3D V-Cacheを備えるCCD-0に処理を集中させるためにコアパーキング状態となっているためで、これは同じCCD構成のRyzen 9 9950Xでも同様の挙動となっている。
ここで注目したいのはCCD-0の平均クロックで、5,414MHzというRyzen 9 9950X3DのCPUクロックは、Ryzen 7 9800X3Dの5,213MHzを明確に上回るものとなっている。つまり、Ryzen 9 9950X3DのCCD-0には、Ryzen 7 9800X3DよりハイスペックなCCDが採用されているということになる。
iGPU使用時のパフォーマンスをチェック
最後に、CPUに統合されているGPU(iGPU)のパフォーマンスをチェックする。
テストに使用する機材は以下の通りで、基本的には先のベンチマーク環境を流用している。なお、Ryzen 9000シリーズにはレビュアー向けに提供されたドライバ「Adrenaline 24.12.1」を使用した。
【表3】iGPUテスト環境CPURyzen 9 9950X3DRyzen 9 9950XRyzen 7 9800X3DCore Ultra 9 285Kコア数/スレッド数16C/32T16C/32T8C/16T8P+16E/24TL2キャッシュ16MB (8+8MB)16MB (8+8MB)8MB40MBL3キャッシュ128MB (96+32MB)128MB (96+32MB)96MB36MBCPU電力リミットPPT=162WPPT=200WPPT=162WPL1=PL2=250WCPU電流リミットTDC=160A、EDC=225ATDC=160A、EDC=225ATDC=120A、EDC=180AIccMAX=347ACPU温度リミット95℃95℃95℃105℃内蔵GPURadeon GraphicsRadeon GraphicsRadeon GraphicsIntel GraphicsGPUクロック2,200MHz2,200MHz2,200MHz2,000MHzGPUドライバAdrenaline 24.12.1 (32.0.12033.1030)32.0.101.6647マザーボードASUS ROG CROSSHAIR X870E HEROMSI MAG Z890 TOMAHAWK WIFIBIOSv99517E32v1A71CPUファームウェアAGESA 1.2.0.30×116メモリDDR5-5600 16GB×2 (2ch、46-45-45-89、1.1V)DDR5-6400 16GB×2 (2ch、52-52-52-102、1.1V)メモリコントローラ2,800MHz1,400MHzInfinity Fabric2,000MHz─システム用SSDSamsung 970 EVO PLUS (NVMe SSD/PCIe 3.0 x4)アプリケーション用SSDCFD CSSD-M2B2TPG3VNF 2TB (NVMe SSD/USB4 40Gbps)CPUクーラーFractal Design Celsius S36 Blackout (ファンスピード=100%)電源玄人志向 KRPW-PA1200W/92+ (1,200W/80PLUS Platinum)OSWindows 11 Pro 24H2 (build 26100.3323、VBS有効)電源プランバランス室温約24℃
Ryzen 9 9950X3Dをはじめ、今回テストしたRyzen 9000シリーズのiGPU「Radeon Graphics」はIODに統合されたRDNA 2世代の2コアGPUで、基本スペックに違いはない。このため、Ryzen 9000シリーズのベンチマーク結果はほぼ同程度となっている。
一方、Core Ultra 9 285KはXe-LPGベースの8コアGPU「Intel Graphics」を備えており、内蔵GPU性能に関してはRyzen 9000シリーズを圧倒すると言えるパフォーマンスを発揮した。
もっとも、Ryzen 9 9950X3DやRyzen 7 9800X3Dに関してはビデオカードの利用が前提と言えるCPUであり、内蔵GPUの性能を気にする必要はないだろう。
Ryzen 9000シリーズの頂点に君臨する最強のデスクトップ向けCPU
Ryzen 9 9950X3Dは、Ryzen 9 9950Xと同等以上のマルチスレッド性能を実現しつつ、Ryzen 7 9800X3Dと同等以上のゲーミング性能まで実現してみせた、Ryzen 9000シリーズ最強のCPUだ。
純粋にゲーミング性能だけを求めるのであれば、より安価なRyzen 7 9800X3Dが有力な選択肢であり続けるが、ゲームだけでなくマルチスレッド性能を必要とするクリエイティブアプリを使う機会が少なくない多目的なPCユーザーにとっては、Ryzen 9 9950X3Dがデスクトップ向けCPUではベストな選択肢となるだろう。
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