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2025/03/16 10:06 ウェザーニュース

この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べるとほぼ同じ水準です。奄美や沖縄での地震がやや目立ちました。震度3以上の地震は1回発生しています。(3月10日〜16日10時の集計)

国内:茨城県で震度3 福島・茨城の県境は地震が多い
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福島県中通りの地震

12日(水)23時20分頃、福島県中通りを震源とするマグニチュード4.2、深さ81kmと推定される地震が発生しました。この地震で茨城県ひたちなか市、笠間市、筑西市で最大震度3、福島県や茨城県、栃木県に広い範囲で震度2の揺れを観測しています。

福島県中通りを震源とする震度3以上の地震は昨年11月以来で、地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

茨城県の県境に近いこの領域は地震活動が活発です。深さ80〜100kmほどのやや深い地震が多く、今回の震源のやや南西では2022年にマグニチュード5.4の地震が発生し、最大震度5弱を観測しました。

近くには棚倉断層が伸びていますが、地震のメカニズムや深さから直接関係する地震ではないとみられます。

21日(火)頃から地震が増加
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今回の地震が発生した領域では21日(火)頃から地震が増えていて、22日(水)6時過ぎにはマグニチュード3.3、最大震度3の地震が発生しました。

マグニチュード5.2の地震の発生後は活動が活発になり、23日(木)だけで有感地震は43回を数え、震度3以上の地震は26日(日)10時までに6回起きています。(震度5弱の地震はのぞく)

今回の震源の西には火山である燧ヶ岳(ひうちがたけ)がありますが、火山活動との関連性を示すようなデータは現時点で得られていません。震度1未満の地震を含めた発生回数の推移を見ても、一般的な本震ー余震の経過を辿っています。

地震活動は徐々に落ち着いているものの、震源が5km前後と浅いため規模が小さい地震でも震央に近い檜枝岐村では揺れが大きくなります。積雪の多い地域ですので、地震が続くことによる雪崩の発生にも注意をしてください。

南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意の発表はなし
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速報の段階ではマグニチュードが6.9と解析されて南海トラフ地震臨時情報の検討基準に達したため、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を開催し、南海トラフ巨大地震との関連があるかの調査が行われました。

解析の結果、地震の規模をより正確に把握できるモーメントマグニチュードは6.7に留まり、「巨大地震注意」の発表目安となる7.0に満たないことから、調査終了となっています。

ただ、政府の地震調査研究推進本部は南海トラフ巨大地震の今後30年の発生確率を、「70〜80%」から「80%程度」に評価を改めました。昨年8月や今回の日向灘地震の発生とは関係がなく、時間の経過に伴って確率が増加したことを反映したものです。

いずれにせよ南海トラフ巨大地震の発生リスクは高い状態が続いていると考えられ、日頃からの備えは欠かせません。

国内:奄美大島近海の地震活動は落ち着く傾向
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奄美大島北東沖の地震

11日(火)11時10分頃、奄美大島北東沖を震源とするマグニチュード5.2、深さ62kmと推定される地震が発生しました。この地震で鹿児島県奄美市、十島村、瀬戸内町、喜界町で最大震度2を観測しています。

奄美大島の近海では9日(日)にマグニチュード5.8、最大震度4の地震が発生して以降、地震活動の活発な状況が続いていました。ただ、12日(水)以降は目立った地震がなく、14日(金)頃からは微小な地震もほとんど見られなくなっています。

世界:グリーンランドの東でM6.5
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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も大きな地震はグリーンランドの東の海域で発生したマグニチュード6.5です。

日本時間の10日(月)昼頃にグリーンランドの東に位置するヤンマイエン島付近を震源とするマグニチュード6.5、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。ヤンマイエン島では強い揺れがあったとみられますが、島には定住者がいないため被害の報告は届いていません。

今回の震源は大西洋中央海嶺付近で、メカニズムが横ずれ型であることから、プレートが拡大する動きによって発生した地震とみられます。浅い震源のため揺れは大きくなりやすい一方で、津波は発生しにくいタイプです。

2012年には今回よりやや北西を震源とするマグニチュード6.8の地震が起きるなど、今回と同様の規模の地震はしばしば発生しています。

世界:ギリシャ・エーゲ海の地震活動は継続
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ギリシャのサントリーニ島近海の活発な地震活動は依然として続いています。マグニチュード5以上の地震は日本時間の12日(水)の夕方を最後に起きていないものの、マグニチュード4前後の地震は多い状況です。

また、震源域が南西に拡大し、サントリーニ島に近い所を震源とする地震も起きていて、地震活動の監視が続けられています。

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出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

参考資料など

WACOCA: People, Life, Style.

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